2020年度用 中学校数学教科書内容解説資料 未来へひろがる数学
37/72

35151052節 場合の数と確率 157 あることがらの起こる確率を求めるために,場合の数を,もれや重なりがないように求めることを考えましょう。 考えられるすべての場合を順序よく整理して数え上げるのに,右のような図がよく用いられます。 問1では,右のような表や,下のような図で求めることもできます。A,B,C,D,E,Fの6人から2人の委員を選ぶとき,その選び方は何通りありますか。問2サッカーの試合で,A,B,C,Dの4チームが,それぞれ1回ずつ対戦するとき,全部で何試合になりますか。問12いろいろな確率いろいろなことがらの場合の数を考えて,確率を求めましょう。どうなるかな昼食時に校内放送でA,B,Cの3曲を流します。この3曲の曲順には,どんな場合があるでしょうか。1曲目2曲目3曲目ABC このような図を 樹じゅ形けい図ず といいます。 樹形図から,上のの曲順は,全部で6通りであることがわかります。A1曲目B2曲目C3曲目CBBACCACABBAABCDABCDA○○○B○○C○D2024 6章 確 率 6章の準備をしよう!この章では,ことがらの起こりやすさについて考えたり,その起こりやすさを小学校で学んだ場合の数をもとにして求めたりしていきます。この章の学習内容とつながりの深いことがらについて確認しましょう。6章 確 率場合の数の調べ方①右のような,図や表をかいて考えます。選び方は,  ぶどう-りんご,ぶどう-かき,  ぶどう-みかん,りんご-かき,  りんご-みかん,かき-みかんの6通りあります。小学6年ぶどう,りんご,かき,みかんが1つずつあります。この中から2つを選ぶとき,その選び方は何通りありますか。場合の数をもとにして,ことがらの起こりやすさを考えていきましょう。➡いろいろな確率(本冊p.157)につながるよぶどうを○ぶのように書くと簡単だねのように○ぶ○り○か○み○ぶ○ぶ○○り○か○み○り○か○み○○○○○20151052つのさいころをA,Bで表すと,目の出かたは,右の表のように,  6×6=36(通り)の場合があります。これらの起こり方は,同様に確からしいといえます。この表で,同じ目が出る場合は,のところです。2つのさいころを投げたときの確率2つのさいころを同時に投げるとき,次の確率を求めなさい。⑴ 同じ目が出る確率⑵ 違った目が出る確率3題例(1,1)(1,2)(1,3)(1,4)(1,5)(1,6)(2,1)(2,2)(2,3)(2,4)(2,5)(2,6)(3,1)(3,2)(3,3)(3,4)(3,5)(3,6)(4,1)(4,2)(4,3)(4,4)(4,5)(4,6)(5,1)(5,2)(5,3)(5,4)(5,5)(5,6)(6,1)(6,2)(6,3)(6,4)(6,5)(6,6)AB2つのさいころを区別すると,目の出かたは36通り⑴ 同じ目が出る場合は6通り  だから,同じ目が出る確率は,  ⑵ 違った目が出る場合は30通り  だから,違った目が出る確率は, 636─=─163036─=─56 上の例題3で,だから,違った目が出る確率は,次の式で求めることもできます。   (違った目が出る確率)=1-(同じ目が出る確率)違った目が出る場合の数()起こるすべての場合の数()同じ目が出る場合の数()=-2015105♥2♥3♥4♣5♣6♥2○○○○♥3○○○♥4○○♣5○♣62つのさいころを同時に投げるとき,次の確率を求めなさい。⑴ 出る目の数の和が9になる確率⑵ 出る目の数の和が9にならない確率問62枚のカードの組の取り出し方は10通り5枚のカードを, ♥2,♥3,♥4,♣5,♣6で表すと,2枚が同じマークのカードである組は, {♥2,♥3}{♥2,♥4}{♥3,♥4}{♣5,♣6}の4通り5枚のカードを,それぞれ, ♥2,♥3,♥4,♣5,♣6で表すと,2枚のカードの組の取り出し方は,右の表のように,10通りの場合があります。これらの起こり方は,同様に確からしいといえます。2枚のカードの組を取り出すときの確率次の5枚のトランプのカードがあります。これらのカードを箱に入れて,そこから同時に2枚を取り出すとき,2枚が同じマークのカードである確率を求めなさい。4題例トランプのマークには ♥ ♦ ♠ ♣の4種類があるね38p.174学年別の内容紹介2年1122「場合の数の数え方の確認→様々なケースでの確率の求め方を学習」という整理された構成既習事項と新しい学習内容を整理し,スムーズに接続するための配慮(6章確率)場合の数の求め方をきちんと確認してからいろいろな確率について学ぶ「順序」を考える場合と考えない場合を対比して指導できる配列「樹形図」や「表」は,確率を求めるときに,場合の数を求めるための手段です。また,これらの内容は算数でも学習しています。「場合の数を求める方法」と「場合の数から確率を求める方法」をいっしょにし,「樹形図を用いて確率を求める」などとして指導すると,生徒の混乱を招いたり,小学校で既習の場合の数の求め方と,確率を求める手段としての場合の数の求め方がうまくつながらない恐れがあります。そのため,6章確率では,2節2項「いろいろな確率」の最初で樹形図や表を用いて場合の数を求める方法を確認してから,それらを用いていろいろな確率を求めることを学べるようにしています。2つのものの組み合わせを表で考える際,2つを区別して「順序」を考える場合と,考えない場合とで場合の数を求めるための表は変わります。順序を考えないといけないかどうかの判断や,そのときにどのような表で数えればよいかは生徒がつまずきやすいポイントなので,6章確率のp.160-161では,見開きページの左右に,それぞれの場合の例題を配置し,指導する際にその点を特に意識づけながら,それぞれの場合を対比,整理して指導が行えるように工夫しています。2年本冊p.1572年本冊p.1612年本冊p.160●場合の数の求め方を整理●さいころの順序を考える場合の表●カードの順序を考えない場合の表場合の数を用いた確率の学習の前に,算数ではどのようにその調べ方を学んだのかを確認することはとても重要です。そのためにMathNaviブック(別冊)にある6章確率につながる「学びをつなげよう」では,小学校での学習をふり返り,復習できるように配慮しています。2年MathNaviブックp.24

元のページ  ../index.html#37

このブックを見る