2020年度用 中学校数学教科書内容解説資料 未来へひろがる数学
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331510558 3章 一次関数1一次関数ともなって変わる2つの数量の間の関係について学びましょう。 56~57ページの場面で,水そうに水を入れはじめてからの時間x分と,底から水面までの高さycmの関係は,1日目と2日目で,それぞれ,次の表のようになります。 この表から,同じxの値に対応するyの値は,1日目より2日目の方が,8大きくなっていることがわかります。 このことから,xとyの関係は,次の式で表されます。 一次関数は,一いっ般ぱんに,次の形の式で表されます。 yがxの関数で,   y=2x+8,  y=2xのように,yがxの一次式で表されるとき,  yはxの 一次関数 であるといいます。 y=ax+b  a,bは定数x012345678y02468101214161日目x012345678y810121416182022242日目一次関数 y=2x+8一次式8cmycm2xcmycm1日目 y=2x2日目 y=2x+82xcm20151051節 一次関数とグラフ 65 前ページの①,②をくらべると,同じxの値に対応するyの値は,いつでも②の方が①より3だけ大きくなっています。 このことをグラフ上で考えると,②のグラフは,①のグラフを3だけ上方に平行移動した直線になることがわかります。 したがって,一次関数y=2x+3のグラフは,比例の関係y=2xのグラフに平行で,y軸じく上の点(0,3)を通る直線になります。O-4-44384①②xy y=2x+3のグラフを,直線y=2x+3といいます。 一次関数y=ax+bのグラフは,直線y=axに平行で,y軸上の点(0,b)を通る直線である これまでに調べたことから,ことがわかります。 直線y=ax+bとy軸との交点(0,b)のy座標bを,この直線の 切せっ片ぺん といいます。直線y=3x+5の切片をいいなさい。問2右の図は,y=2xとy=-2xのグラフです。これをもとにして,次の一次関数のグラフを右の図にかき入れなさい。⑴ y=2x-2⑵ y=-2x+4⑶ y=-2x-3問1O-5-555xyy=-2xy=2xOxyy=ax+bb20151051節 一次関数とグラフ 61一次関数y=2x+1で,xの値が5から9まで変わるとき,yの増加量は,xの増加量の何倍になりますか。問1どんなことがわかるかな一次関数y=2x+1で,対応するx,yの値を求めると,次の表のようになります。 y=2x+1で,xの値が1から4まで変わるとき,   xの増加量は,4-1=3   yの増加量は,9-3=6となり,yの増加量は,xの増加量の2倍になっています。 一次関数y=2x+1では,変化の割合は,つねに2です。このことは,xの値が,1から4や,5から9まで変わる場合だけでなく,ほかの場合でも同じです。 また,この値2は,xの増加量が1のときのyの増加量です。2一次関数の値の変化一次関数で,xの値の変化にともなってyの値はどのように変化するかを調べましょう。xの値が変化したときのyの増加量を調べて,にあてはまる数を書き入れましょう。x…-3-2-101234…y…-5-3-113579…231 xの増加量に対するyの増加量の割合を,変化の割合 といいます。   変化の割合=yの増加量         xの増加量xy13493636=2xy5920151053章 一次関数どんなことがわかるかな一次関数y=-2x+7について,次の表を完成させて,変化の割合を調べましょう。⑴ xの値が1から4まで変わるとき,yの増加量を調べ,  変化の割合を求めましょう。⑵ xの値が□から○まで変わるとき,□や○の数を自分で  決めて,yの増加量を調べ,変化の割合を求めましょう。⑶ xの増加量が1のとき,yの増加量を調べましょう。x…-3-2-101234…y……一次関数yx325=+で,次の場合のyの増加量を求めなさい。⑴ xの増加量が1のとき   ⑵ xの増加量が3のとき問2 a>0のとき,xの値が増加すると,yの値は増加する。 a<0のとき,xの値が増加すると,yの値は減少する。 上のことは,xの増加量が1のときのyの増加量がaであることを表しています。したがって,y=ax+bでは,次のことがいえます。 これまでに調べたことから,次のことがいえます。一次関数の変化の割合 一次関数y=ax+bでは,変化の割合は一定で,aに等しい。   変化の割合=yの増加量 =a         xの増加量18p.169学年別の内容紹介2年1122比例との接続,今後の学習とのつながりを大切にする一次関数の導入,内容構成既習事項との接続を重視しつつ,関数領域全体の指導にも配慮(3章一次関数)比例から一次関数への自然な接続関数y=ax2まで見据えた「変化の割合」の学習比例・反比例は小学校でも学んでいるため,3章で学ぶ一次関数が中学校ではじめて学ぶ新しい関数となります。今後,さらにいろいろな新しい関数を学ぶときに,その性質を調べる方法の基本にもなるので,関連する比例の性質や,その比例の性質を1年のときにどのように調べたかをきちんとふり返りながら進めることが重要です。3章一次関数では,表・式・図を用いて比例と一次関数を比較し,どこが同じでどこが異なるかを確認しながら一次関数の導入を進め,一次関数のグラフを学ぶ際も,比例のグラフとの違いを考えるようにしています。既習の比例とのつながりを大切にすることで,一次関数という新しい関数をスムーズに習得することができます。3章一次関数では,関数の概念の中でも重要な,「変化の割合」の用語を指導します。3章の学習の中心になる一次関数の場合は,変化の割合は常に一定で,比例定数aに等しくなります。しかし,3年で学習する関数y=ax2など,これから学ぶ関数では常に変化の割合=比例定数aではありません。そのため,変化の割合を学ぶ際は,その定義をきちんとおさえ,「どんな関数でも変化の割合=比例定数a」と誤って覚えてしまわないように注意が必要です。3章一次関数では,「変化の割合」という用語の定義と,「一次関数の変化の割合」についてのまとめをきちんとアミカケや枠で囲んで強調することで,それぞれの内容をきちんと把握しやすいように工夫しています。また,p.63では反比例の関係を例に,変化の割合が一定でない場合を取り上げています。2年本冊p.582年本冊p.652年本冊p.612年本冊p.62●比例と一次関数を 表・式・図で比較●比例と一次関数のグラフを比較●変化の割合の定義を示すアミカケ●一次関数の変化の割合の性質MathNaviブック(別冊)にある3章一次関数につながる「学びをつなげよう」でも,比例について「式」,「性質」,「グラフ」,「式を求めること」とひと通りの学習内容を確認できるようにしています。比例の学習の定着が十分でない場合には,指導に入る前の予習課題や,授業の最初の確認の題材として活用できます。

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