2020年度用 中学校数学教科書内容解説資料 未来へひろがる数学
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302節 比例3節 反比例4節 比例・反比例の利用1節 関数130 4章 変化と対応2015105 右の写真のような,風で動くかざりをモビールといいます。モビールでは,それぞれの棒で左右がつりあうようにつくられていて,どの棒でも,  (かざりの重さ)×(支点からの距きょ離り)が,てこの規則性によって等しくなっています。 例えば,右の図で,左右がつりあっているとき,     xy254##= つまり, yx100=となり,yはxに反比例する関係になります。反比例の利用下の図のモビールで,支点の左右がつりあうようにするには,それぞれのおもりを,どこにつり下げればよいでしょうか。問2支点25gxgycm4cm25G10G20G25G50G 右の写真は,「ナースウォッチ」とよばれる時計です。 この時計には,時刻や時間を知るための目もりのほかに,1分間の脈みゃく拍はく数すうを,1分間よりも短い時間で測定するための目もりが,文も字じ盤ばんの内側についています。医療保健身のまわりへひろげようナースウォッチのしくみ252015105 上ので,⑴では,横の長さは縦の長さにともなって変わり,縦の長さを決めると,横の長さはただ1つに決まります。 また,⑵では,水の深さはバケツに入れた水の量にともなって変わり,水の量を決めると,水の深さはただ1つに決まります。106 4章 変化と対応1関 数ともなって変わる数量の関係を調べましょう。どうなるかな次の数量は,何を決めると決まるでしょうか。⑴ 面積が24cm2の長方形の横の長さ⑵ 10Lはいるあるバケツに,水を入れたときの  水の深さ水の深さ このx,yのように,いろいろな値をとる文字を変へん数すう といいます。 また,ともなって変わる2つの変数x,yがあって, xの値を決めると,それに対応してyの値がただ1つに決まるとき,yはxの関かん数すうである といいます。例1底面の1辺の長さ104ページのように箱をつくる。箱の底面の1辺の長さは,切り取る正方形の1辺の長さにともなって変わり,その長さを決めると,箱の底面の1辺の長さは,ただ1つに決まる。 上の例1で,   切り取る正方形の1辺の長さをxcm,   箱の底面の1辺の長さをycmとすると,yはxにともなって変わり,いろいろな値をとります。16cmxcmycm2015105108 4章 変化と対応 yがxの関数であるときには,その関係を式に表すことができるものもあります。 上の例3で,窓をいっぱいにあけたときに動かした長さが90cmだったとすると,xのとる値の範はん囲いは,0以上90以下となります。 xの変域が0以上90以下であることを,不等号を使って,   x090EEと表します。例3窓のあいた部分の面積縦が130cmの窓をあける。窓を動かした長さをxcm,あいた部分の面積をycm2とすると,yはxの関数であり,xとyの関係は,次の式で表すことができる。   y=130x例4変域の表し方xの変域が,-2より大きいとき, x>-2xの変域が,5未満のとき, x<5xcm130cmycm2前ページの例2のxとyの関係を,式に表しなさい。問3xの変域が,3以上10未満であることを,不等号を使って表しなさい。問4変 域 このような,変数のとる値の範囲を,その変数の 変へん域いきといいます。-2531009035p.227●比例の式比例定数を定義変域を負の数に拡張      座標●比例のグラフ比例定数を負の数に拡張変域に制限がある場合のグラフ112233「関数の定義・知識の習得→比例・反比例の式,グラフの理解→利用課題」の整理された流れ関連する内容をできるだけ一所に配置するなど,内容の配列を整理(4章変化と対応)基礎・基本をおさえた後に利用する活動を充実比例・反比例それぞれをパラレルな構成で扱う基本事項を学習した後には,利用の節を置き,応用力を高め,活用する姿勢・態度を養えるようにしています。比例と反比例の学習の流れをパラレルにすることで,比例の学習の後で,反比例の学習を同じようにスムーズに進めることができます。ここで身につけた関数を学ぶ流れは,今後他の関数を学ぶ際の参考にもなります。※変域に制限がある場合のグラフは,関数を活用する際に重要な内容なので,はじめて関数を学ぶ1年で扱っています。現実的な題材が用意しにくい反比例の利用についても,キャリア教育にもつながる題材「ナースウォッチのしくみ」を,利用する活動のコーナーとして取り上げています。1年本冊p.1301年本冊p.1081年本冊p.106●関数・変数の定義●反比例の式比例定数を定義変域を負の数に拡張●反比例のグラフ比例定数を負の数に拡張●変域の定義「座標」や「変域に制限がある場合のグラフ」の内容はそれぞれ,その内容が必要になる適切な場面に配置しています。変数・変域など関数一般に関係する用語を1節 関数でおさえる学習指導要領には,「関数関係の意味を理解すること」,用語として「関数,変数,変域」を学習することが明記されています。これらの内容,用語は1年で学習する比例・反比例だけでなく,今後の関数領域の学習全体において重要な概念であり,セットできちんと学習させるべきです。そのために,これらを4章1節関数の学習の中ですべて扱うようにしています。

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