2020年度用 中学校数学教科書内容解説資料 未来へひろがる数学
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2915105自分のことばで伝えよう2節 けいたさんは,この計算をするために,小学校で学んだ計算をふりかえりました。正の数・負の数の計算正の数・負の数の計算について学びましょう。(-4)+6や5+(-6)は,どんな数を求める計算かな? 左の問題の答えを求める式は,   3+6 これは,3より6大きい数を求める計算を表しています。 これを数直線を使って考えると,30 6人くると,何人になりますか。     と同じようにして,(-4)+6や5+(-6)が,どんな数を求める計算になるか,数直線を使って説明しましょう。-4050(-4)+6 ➡ -4より6    数を求める計算5+(-6) ➡ 5より    大きい数を求める計算負の数をふくむたし算も,これまでに学んだことから,答えが求められそうだ3人2節 正の数・負の数の計算 232015105正の数・負の数をたすこと,ひくこと正の数をたすこと,ひくこと負の数をたすこと 24~29ページで学んだ正の数・負の数の加法,減法を,正の数をたしたり,ひいたりする計算にすることを考えましょう。 正の数をたす計算,例えば,  2+5は,  2より5大きい数を求める計算です。 これを数直線を使って表すと,右のようになります。 負の数をたす計算,例えば,  2+(-5)は,  2より-5大きい数つまり, 2より 5小さい数を求めることになり,2-5と同じ計算になります。 正の数をひく計算,例えば,  2-5は,  2より5小さい数を求める計算です。 これを数直線を使って表すと,右のようになります。1上の考え方で,次の計算をしましょう。⑴ 3+8 ⑵ (-3)+8⑶ 4-7 ⑷ (-4)-7p.24~p.29 正の数・負の数の加法,減法 2+(-5)=2-5022+55大きい70-35小さい22-520151052節 正の数・負の数の計算 25どんなことがわかるかな次の2数の和を,数直線を使って求め,の中にはその符号を,の中にはその絶対値を書き入れましょう。2数の和の符号や絶対値について,どんなことがいえるでしょうか。わかったことを,下のようにまとめましょう。① (+3)+(+4)=7   ② (+6)+(+2)=+0+7+30③ (-3)+(-4)=   ④ (-6)+(-2)=000000⑤ (+3)+(-4)=   ⑥ (+6)+(-2)=⑦ (-3)+(+4)=   ⑧ (-6)+(+2)=〈わかったこと〉2数の符号と,それらの和の符号を見てみると, ・正の数どうしの和は,いつも ・負の数どうしの和は,いつもになっています。正の数と負の数の和は,正の数になったり,負の数になったりしています。の中の数を見てみると,2数の絶対値の和になっているか,差になっているかのどちらかになっています。 ・和になるのは,2数の符号がとき ・差になるのは,2数の符号がときです。わかったことをしっかり整理してからまとめよう学年別の内容紹介1年112233「小学校での計算と関連づけた意味理解→符号と絶対値の規則を使った計算の習熟」「正の数・負の数の加法」を確実に身につけるための流れ(1章正の数・負の数)「小学校での学習」からつながる意味理解意味理解をそのまま拡張して計算の習熟をはかる指導も可能「符号と絶対値」の規則を使って計算を習熟学習指導要領では,正の数・負の数の計算について,「小学校で学習した計算の意味と関連づけて計算の意味を理解すること」と明記されています。これにもとづき,正の数・負の数の加法では,「いくつ大きい(いくつ小さい)数を求めること」と考え,小学校での計算を自然に拡張させて,負の数の加法を導入しています。小学校での計算とこれから学ぶ計算の接続を丁寧に行うことは,「負の数」という新しい概念の習得で生徒が混乱することを防ぐなど,中1ギャップを回避することにもつながっています。本編での計算の習熟ついては,「符号と絶対値の規則を使った計算」に一本化していますが,数学広場のp.240-241にあるひろがる数学「正の数・負の数をたすこと,ひくこと」を活用することで「いくつ大きい(いくつ小さい)数を求める計算」についても,意味理解だけでなく,計算の習熟へも拡張して指導することができます。それぞれの学級,生徒の実情,特性に応じて,軽重をつけつつ,柔軟に取り扱うことで,基本的な計算の確実な習得がはかれます。計算の意味から和の符号と絶対値を調べ,その規則に気づく場面を用意しています。その規則をきちんと整理して身につけ,実際の計算の習熟の段階では,この規則を使って計算を進めていきます。※以前の啓林館の教科書では,「いくつ大きい(いくつ小さい)数を求める計算」と「符号と絶対値の規則を使った計算」の両方で計算の習熟・定着をはかっていましたが,学習・指導上の負担等を考え,現在は本編での計算の習熟については「符号と絶対値の規則を使った計算」に一本化しています。1年本冊p.231年本冊p.251年本冊p.240

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