2020年度用 中学校数学教科書内容解説資料 未来へひろがる数学
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131章「正の数・負の数」では,新しい数のかけ算などの計算を考えます。p.33の「同じように考える」は,この新しい数のかけ算についても,すでに知っているかけ算と同じように考えれば,計算のしかたが見つけられるというメッセージです。数学では,過去に学んだことと同じように考えれば,新しいことがらを引き出せる場面がたくさんあります。このような見方や考え方をたいせつにして,数学の世界をひろげていきましょう。● 自分の意見を具体的にわかりやすく伝えよう。● ほかの人の意見と自分の意見をくらべながら聞こう。● 話しあったことをまとめよう。話しあうときには● 自信をもって,大きな声で,みんなの方を見て話そう。● 疑問に思ったことやつけたしたいことは,手をあげて発言しよう。発表する・発表を聞くときには● 自分の考えを整理しよう。● まとめたあとは,ほかの人がまとめたものとくらべたり,意見や感想を聞いたりしよう。まとめるときには小学校2年でかけ算を学びました。2×3の答えをどうやって求めたかを思い出してみましょう。2×3は,2個の3つ分と考えて2+2+2,だから6となります。同じように考える上と同じ方法で求める見方・考え方話しあいや発表などを通して,自分の考えを深めようことばや文字で表現することはとてもたいせつなことです。数学の学習では,ことばだけでなく,数や記号,式,図,表,グラフなどを用いたりして,自分の考えをわかりやすく伝えるようにくふうしましょう。また,ほかの人の話を聞くことで,考えをひろげたり,理解を深めたり,疑問を解決したり,新しいことに気づいたりすることもたいせつです。数学の見方・考え方にも目を向けようこの教科書には,右のような看板がついているところがあります。これは,みなさんに意識してほしいたいせつな見方や考え方を示しています。どんなところがたいせつかというと…小学校時代へタイムスリップ!!中学校の世界へもどりましょう看板はほかにもあるよ2×3……2個の3つ分の答えをどうやって求めたかを学習の進め方負の数×正の数 も,同じように考えると,  (-2)×3=(-2)+(-2)+(-2)=-6この-6は,-(2×3)に等しくなります。232個の3つ分章「正の数・負の数」では,新しい数のかけ算などの計算を考えます。同じように考える上と同じ方法で求める見方・考え方p.3395101520151052節 比 例 117 比例の関係y=axで,比例定数aが負の数の場合のグラフについて考えましょう。下の表は,y=-2xで,対応するxとyの値を求めたものです。x…-4-3-2-101234…y…86420-2-4-6-8…どうなるかな上の表のxとyの値の組を座標とする点を,右の図にかき入れましょう。また,xの値をさらに細かくとっていくと,どうなるでしょうか。 上ので,y=2xのときと同じように,xの値を細かくとっていくと,対応する点の全体は,右の図のようになります。この直線が,比例の関係y=-2xのグラフです。 これまでに調べたことから,  比例の関係y=axのグラフは,原点を通る直線であることがわかります。y=-1.5xのグラフを,右の図にかき入れなさい。問2Oyx-5-555Oyx-5-555範囲をひろげる51510 2つの関数   y=x2 と y=2x2  について,xの同じ値に対応するグラフ上の点を,それぞれ,P,P'とします。 このとき,P'からx軸までの距離は,Pからx軸までの距離の2倍になっています。 関数y=ax2で,a<0のときのグラフを,y=-x2を例にとって調べましょう。関数yx212=のグラフを,左の図にかき入れなさい。問3O-1-2-332APP’187654321y=2x2y=x2yxx…-3-2-10123…x2…9410149…-x2…-9-4-10-1-4-9…どんなことがわかるかな左の図は,関数y=x2のグラフです。上の表をもとにして,関数y=-x2のグラフを,左の図にかき入れましょう。関数y=x2のグラフと関数y=-x2のグラフには,どんな関係があるでしょうか。xyO-1-1-2-3-4-2-331543212y=x2AP’=2APになっているねAPなっているね範囲をひろげる比例定数が負の数の場合のグラフを考える教科書の特色②思考力・判断力・表現力の育成本冊の巻頭では,数学の学習を進める上で,大切にしてほしい数学的な見方・考え方について紹介しています。こうした見方・考え方は,数学の学習だけではなく,他の教科の学習や,生活の中でも役に立つ,大切な考え方です。1年本冊p.93年本冊p.941年本冊p.117数学的な見方・考え方の看板AA数学的な見方・考え方を育む工夫エ重要な見方・考え方が現れる箇所には,見方・考え方の看板を配置し,学習の中で,大切な見方・考え方がきちんと意識できるように工夫しています。正の数・負の数で学ぶ,「負の数をかける乗法」も,算数で学んだかけ算と同じように考えることができることを紹介しています。「同じように考える」という考え方も,数学の学習の中でぜひ身につけてほしい考え方の1つです。正の数の場合を考えたら,負の数の場合を考えるというのも,「範囲をひろげる」という数学的な見方・考え方の1つです。1年の比例の学習と,3年の関数y=ax2の学習の両方の場面でくり返しこの見方・考え方を示すことで,その場その場の学習で完結してしまわない,系統的な見方・考え方を養うことにつながります。

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