英語のカリキュラム編成にあたって

 全体のカリキュラム編成 

 2002年度からの完全学校週5日制の実施にともない,今回改訂された学習指導要領では,卒業までに修得させる単位数の縮減,教育内容の厳選がその改訂の柱となっている。したがって,新カリキュラムの編成にあたっては,学校や生徒の実態に合わせて,各教科ごとの単位数縮減のバランスを取りつつ,学校の特色を打ち出すカリキュラムを組むことになる。そのためには,編成における基本方針をそれぞれの学校で定めておく必要がある。
 「人間として調和のとれた育成」「生きる力をはぐくむこと」「自ら学び自ら考える力の育成」「基礎・基本的な内容の確実な定着」「個性を生かす教育の充実」などが,今回のカリキュラムの基準の改善にうたわれているが,まずはそれぞれの高校で何を大きな教育方針とするのかを決めることが編成の出発点となる。その上で,「総合的な学習の時間」や教科「情報」の新設,選択科目の充実や柔軟な時間割の作成など,カリキュラム編成上の重要項目に対応しなければならない。

 英語のカリキュラムとシラバス・デザイン 

 英語のカリキュラムを考える際には,中学校の学習指導要領を理解するとともに,高校に入学してくる生徒が中学校で英語学習をどのように行ってきたのかを把握することが大切である。  中学校学習指導要領の英語においては,「コミュニケーション」が「実践的コミュニケーション能力」に,「理解」「表現」が「聞くこと」や「話すこと」に,「国際理解」が「言語や文化に対する理解」に改訂された。よって,音声を通じた学習に一層の重点が置かれた指導を中学校で受けてくるということを配慮しておく必要がある。このことは近い将来,大学入試センター試験にヒアリングが導入されるであろうこととも連動している。今後,この方向はますます強化されていくと考えられる。したがって,音声を重視した教科カリキュラムの編成を意識しておくことである。
 その上で,高校に入学してきた生徒に,3年間で何を目標として英語学習をさせるのか,また,どのような英語スキルを身に付けさせたいのか,どのくらいのレベルのものまで理解させるようにするのかを,学年ごとに,1年ごとのシラバスを設計することを通して,英語のカリキュラム全体を検討しなければならない。  そのためには,英語の各科目の構成や内容を確認しておく必要がある。
◇オーラル・コミュニケーション  中学校での学習を踏まえ,「聞くこと」「話すこと」の音声によるコミュニケーション活動の指導を行うには,この科目を組む必要がある。この科目は,中学校の学習から高校の学習へソフトランディングする橋渡し的な内容ともなっている。
◇英 語  この科目は中学校の学習事項の一層の習熟を図りながら,生徒の総合的なコミュニケーション能力を育てる指導を行うものである。
 オーラル・コミュニケーションと英語はどちらかの選択必修となっているが,両科目の特性を考えると,多くの高校のカリキュラムにおいては,両科目とも必修となるであろう。
◇英 語  英語をさらに発展させて指導を行うものである。多くの高校のカリキュラムにおいて必修となるだろう。
◇リーディング  読む楽しみも目的に加えられたこの科目は,速読・多読なども取り入れられた構成になると考えられることから,主として第3学年での履修が多いだろう。なお,早い時期からそのような作業に慣れさせるには,第2学年から履修させることになる。
◇ライティング  語彙数が削減され,簡単な英語で実際に使用される場面を設定した内容となるので,第2学年からの履修が多いだろう。
◇オーラル・コミュニケーション  英語の総合的な力が必要となる科目である。外大や難関大学への進学者が多い高校では,将来社会で活躍するための英語の基礎力を付けるために,選択履修させるコースを設けることも考えておかなければならないだろう。



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