| 英語授業実践記録 |
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| コースブックとしての英語 I への回帰 MILESTONE I を使用して |
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| 静岡県立浜松西高等学校 山下 巌 |
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1 はじめに
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(1) 中高一貫校としてのスタート (2) 英語科の変革とジレンマ |
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2 学校設定科目「表現」
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| 「発表力の育成」というとOC中心の指導が浮かぶが、それ自体独立した教科書を用いて行わなければならないので、英 I の授業との有機的連携が図り難く、さらに単なるOCによる会話練習では入学生の英語学力レベルに合わないことが予想された。そこで、むしろ逆に英 I を中心にすえ、2クラスを3つに解体した少人数クラスで、授業の大部分を英語で行う計画が提案された。単なる断片的な英会話の授業に終始するわけではなく、英Tを本来のコースとして指導するという方針を打ち出したのである。そうは言うものの、英 I を週5単位に設定することが教務上不可能であったため、これを3単位とし、残りの2単位を学校設定科目の「コミュニケーション」を導入することとした。しかし、それは英 I の授業と内容・進行の面で独立しているのではなく、その延長線上にあると捉え、英 I の教科書を用いた授業をベースに、「話すこと」、「書くこと」の活動を発展的に行うことを旨とした。したがって、週5時間の授業は、「英語 I 」と「コミュニケーション」がない交ぜとなっており、すべて同一の教員が担当している。 また、「コミュニケーション」の教科書として main course である英 I で行われている英語で進行する授業との質的整合性を保つため、Grammar Three(OUP)、その補助教材として The Good Grammar Book(OUP)を採用した。これらのテキストは grammar book ではあるが、あくまでコミュニケーション活動をより豊かにするための援用手段として認識され、コミュニケーションの授業と英Tとを結びつけるブリッジング教材としての役割を十分果たしている。 |
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3 授業の実際
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| (1) リーディング MILESTONE I・II は英語による英文理解の授業を展開するのに、難易度・各課のトピックも適切である。しかし生徒のほとんどが付属の予習ノートを完成させて授業に臨むため、それに甘えて準備を怠ると、単なる Q&A をするだけの授業に堕してしまい、生徒はその単調さに飽きてしまう。さらに内容的に一歩踏み込んだ部分での臨機応変な質問や解説が教員には求められる。例えば Lesson 1では「なぜ Evelyn は、英語が上手いのか」、「 Young Farmers Club では何をするのか」、「 on campus とはいったいどこか」、「 Japanese pop music is popular in Thailand とあるが、誰の曲がタイでは人気があるか」などといったことを生徒に課題として与えたり、additional information として提供したりする。こうすることで、新出単語以外に、colony, colonize, dormitory, hall of residence などといった語彙や語句も紹介でき表現力アップにつながった。 (2) スピーキングとライティング
Lesson 1:How are you going to spend three years in Nishi SHS? Lesson 3では、もう少し大掛かりに以下のような発表を計画した。クラスを1グループ3人の9グループにわけ、それぞれ、ginger, garlic, honey, tomato, grape, tea, potatoなどの9つの食材をそれぞれのグループに選択させ、一人目はどのような経路で日本に入ってきたか、二人目はどのように体によいか、3人目はそれを使った料理を紹介させた。 (3) リスニング (4) グラマー |
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4 試験と評価
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| 以上俯瞰したように、同一授業時間内でもある部分が英Tであり、またある部分はコミュニケーションであり、両者の間には procedure 上の区別はない。しかし、評価ともなるとそうは行かない。したがって、定期試験では、「英 I 」と「コミュニケーション」二つを行い、主に前者では MILESTONE に準拠して問題を作成し、後者では Grammar Three に加えてリスニングとライティングを中心に出題している。また、コミュニケーションの評価は試験60%、プレゼン+平常点40%としている。 |
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5 課題とあとがき
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| 何も目新しいことではないが、英語Tを単なるリーディング教材ではなく、本来の意図である4技能の習得を念頭においたコースブックとして扱うことは、本校のような進学校ではやや冒険に近かった。しかし、英語教員として原点に帰ることができた、と同時に学年担当の教員同士の結びつきが密接となり、お互いに問題点や成果を話し合い、文字通り挙国一致の体制で臨んだ。教員間のチームワークが大きな鍵となる。 授業アンケートの結果から、プレゼンは有意義であり英語の力がつくことが実感できるという結果が得られた。確かに、教師の英語ではなく、プレゼンで将来の夢を語っている生徒同士が、お互いに体を前に乗り出し固唾をのんで耳を傾け英語を聞き合う姿を見ていると、教師までがその成果を実感できる。また、次週はプレゼンがあるということを楽しみにしており、張り切って準備をしてくる生徒も多く見られる。昨今「生徒の力が落ちた」という声をよく耳にするが、いったい本当なのだろうか。実は自分たちのメソドロジーが疲弊し、本来の力が見えなくなっているということはないのだろうか。大いに疑問である。 毎年ハワイからコーチを招聘しているバスケットボール部顧問の、「今年の生徒はいったいどうしたんですか。通訳がまったく要らないですよ、どんどん自分たちで質問していきます。驚きましたよ。」という言葉が大変有難かった。 さて、これからどうして大学受験勉強へと生徒を導いて行くのかまたひとつ、クリアーしなくてはならない大きな壁である。 |