English Expressions A la carte
英語表現アラカルト
英語目次へ
Lock
鍵 or 錠をかける?
旭川工業高等専門学校教授
十河 克彰
 Lock という基本単語には,思い出すことがあります。ホテルに泊まりました。カギを二つ渡されました。ドアのカギと冷蔵庫のカギです。部屋に入ると冷蔵庫がありました。鍵穴のところが変です。無理にこじ開けたと見え,壊れています。カギがなくても開くのです。これは大変とフロントへ直行しました。

“The key of the fridge is broken in my room. I found it broken when I entered the room.”

 フロント氏,key を見せよ,と言います。そこで気が付きました。

“Oh, I made a mistake. Not the key. I mean, ‘the lock.’”

 なぜこんな間違えをしたのか,考えました。日本語が原因です。「カギをかける」,「錠をかける」,日本語では二つとも OK です。英語では lock the door は OK ですが,key the door は不可です。
 考えてみると,例の諺,「あとの祭り」に相当する,Lock the barn door after the horse is out. です。Key ではなく lock なのです。フロント氏に言われ気が付いても,「あとの祭り」です。

 「デッドロック」は,日本語で,「デッドロックに乗り上げた」というものですから,rock−岩とばかり思っていました。“Deadrock”,そんな英語はないのです。和製英語です。正しくは,“deadlock”です。「死んだ錠,用をなさない錠」です。たとえカギを持っていても,錠は死んでいるので,外からは開けることはできません。ドアを壊すほかありません。それから膠着状態を指すようになりました。

 旭川で AET をしていた青年の両親を,シアトルに訪ねたことがあります。青年のお父さんの仕事を聞くと,I work for the lock. 彼の言っていることは分かりましたが,意味は分かりませんでした。錠前屋なら,locksmith. です。説明を聞いて了解しました。水位の違う水路を堰で区切り,船が行き来できるようにする施設です。これが複数組になると,運河になります。

The Panama Canal has six locks. 
(パナマ運河は6つのlockからできている)

 映画,『ロ−マの休日』で王女が髪の毛を切るシーンでも lock が登場します。