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難解な語がないし,一読して意味は分かるので,読み飛ばして数年後,己の無知を知り愕然とすることが,私の場合はよくあります。まったく理解できなければ,辞書に当たるのですが,なんとなく,それなりに分かるから困ります。例えば,
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“He came home burning rubber the night.” |
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「その夜,(多分,暗い夜だったので,松明の代わりに)ゴムに火をつけて帰宅した」
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完全な間違いでした。もし松明であれば,the rubber で定冠詞が必要です。正解は,「大急ぎで,取るものもとりあえず,直ちに,帰宅した」です。
ここでのrubberは,車のタイヤのことです。「急発進して,タイヤから煙を出しながら,帰宅した」。これが,そのイメージです。急いで帰宅したのです。電車であろうが,タクシーであろうが,走って帰ろうが関係ありません。 自動車の国,アメリカならではのイディオムです。 私たちも「自動車を飛ばして帰った」と言いますが,自動車は空を飛びませんし,飛ばすこともできません。しかし,英語でもこれとそっくりな言い方をします。
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“He made his car fly to his house when he heard his house caught fire.” |
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「家が火事と聞き,車で飛んで帰った。」
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使役動詞 make が話者の気持ちを表しています。飛ぶはずのない車を,しゃにむに空を飛ぶ機械にして,帰った。気持ちは空を飛んでいたのです。
「飛んで帰った」と言ったら,「そんな奴はいないだろう。人間はいつから空を飛べるようになったのか」,と慣用句をお笑いの種にしている,お笑いタレントがいます。 日本にだって,「おっとり刀で」と言う,独特な表現があります。本来腰に差すべき刀を,ほんのわずかな,差す時間も無いので刀を手に持ったままで,急いで,直ちに,の意味です。侍の世界で生まれた表現です。 おじの一大事を聞いた,「堀部安兵衛は,高田馬場におっとり刀で駆けつけた」,は
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“He ran to Takadanobaba burning rubber.” |
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“He flew to Takadanobaba.” |
自動車のなかった江戸時代の話でもこのイディオムは使えます。
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