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シドニーといえば、オペラ・ハウス (The Sydney Opera House)。あの白い大きな貝殻のような屋根が複合的に重なり合う姿は印象的です。その美しさを褒めたたえますと、オーストラリアの友人が、“The Opera House was once called a ‘white elephant’, you know?”と言いました。なるほど、「白い象」か、あの巨大な白い屋根は、陸上最大の動物、象にたとえられたのか、と感心しました。 しかし話が進むほどに、象とは何の関係もないことがわかりました。
オペラ・ハウス建設のため、ニューサウスウェールズ州政府は、国際設計コンペを組織し、参加者を募集しました。建築手法は自由、費用は無制限という条件でした。最初から、金に糸目をつけなかったのです。世界中から233もの応募がありました。当初の見積もりは700万ドル、工期は4年でした。しかし革新的なデザインや着工後の政府側の大幅な設計変更もあり、1959年の着工から実に14年、1973年に完成したのです。建設費用は最終的に1億290万ドルにのぼり、基金を設立して90万ドルを、残り1億200万ドルは宝くじで調達しました。金食い虫だったのです。
慣用句、“white elephant” は「使い道のない持て余し物、捨てるわけにもいかず、維持するだけで大金のかかる厄介もの」という意味です。
昔、シャムの国に、王様が気に入らない家来に珍しい白い象を贈ったという伝説があります。白い象は素晴らしい贈り物に聞こえますが、それは神聖な生き物と考えられ、働かすことはできず、飼育するのに莫大な金がかかります。家来は、この莫大な金の流失から逃れることはできなかったそうです。
金ばかり食って、いつまでたっても完成せず、といっていまさら中止もできないオペラ・ハウスは、まさに“white elephant” だったのです。英語の初出は1800年代終わりです。
参考資料
http://www.anzac.com/aust/nsw/soh.htm
Oxford English Dictionary, 2002
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