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アメリカのとある街で見かけた教会の billboard に書かれていた英語が気になりました。平易な英語ですが、さて教室ではどう教えようかと考えました。
“Can't sleep? Don't count sheep, talk to the shepherd.”
「眠れないのですか。それでは羊を数えるのはよして、羊飼いとお話しなさい」
眠れない時、柵や溝を飛び越える羊を、1頭ずつ数えると、いつのまにか眠りにつける、と言うのが “old wives' tale” の定番です。羊の数を知るために、数えるわけではありません。単調なことを繰り返しでリズムを作り、眠りに自らを導くわけです。
「眠れないのですか。それでは羊を数えなさい」と、言うべきところを「数えるのはよしなさい」と反対のことを提言しているのです。眠れないから、羊の数を数えるのであって、数を知りたいからではないのです。それを百も承知の上で、「羊飼いは数を知っていますから、彼に聞きなさい。あなたは数える必要はないのです」、と問いかけています。
「眠れない人」は、悩みを抱えている人です。問題を抱えている人は、羊を数えることで、つまり、自分の力で問題を解決しようとします。キリスト教では、人は羊に、牧師は羊飼いにたとえられています。「羊飼いに聞きなさい。かれは羊の数、すなわち問題解決の方法を知っているのですから」がこの英文の意図するところであり、面白いところです。「悩みのある人はおいでください」では注目は引きません。この billboard を読んだ人は、このユーモアに微笑むに違いありません。
こんな説明で学生諸君は納得してくれるでしょうか。いささか不安です。わたくしも羊飼いに会わねばと思います。
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