オックスフォード教材を活用した小学校外国語活動の実践

滋賀県大津市立下阪本小学校 松宮 孝明

1はじめに

本校は,滋賀県の最南部である大津市の琵琶湖の西側に位置しています。日吉大社や比叡山延暦寺等,歴史的な建造物も多く,海外からの観光客も増えており,児童が英語を使用する機会もあり,英語を学ぶことへの意欲を高めたいと考えております。

大津市では,平成27年度はモデル校5校で,平成28年度からは市立37小学校全てで,「ICTを活用した外国語教育ティーチングメソッド研究開発事業」として,オックスフォード大学出版局株式会社と連携し,小学校1年生からの外国語活動に取り組んできました。

本校は平成27年度のモデル校として,初年度の2学期から実践を始めました。

英語が苦手な教員もおりましたが,今後小学校教員に求められる英語力や指導力のことを考え,校内研修にも積極的に取り組みました。例えば,市教委からは週に1度授業参観があり,モジュール授業や45分間のコマ授業における指導法や教材の効果的な使用法について意見を交換しました。また,学期に2回,市教委担当およびオックスフォード大学出版局株式会社からティーチャートレーナーが派遣され,全教員が教材の使い方やクラスルームイングリッシュ等の研修を受けました。現在は,市教委主催の夏季希望研修や小学校外国語活動部会が行う公開授業等に積極的に参加しています。

このような取組を継続することで,本校児童の外国語活動に対する意欲もどんどん高まるであろうと考えております。

2取り組みについて

以下,朝の学習の帯時間に実践するモジュール授業と1単位時間の授業に分けて説明します。

また,本校教職員がALTの先生とともに行っている「イングリッシュカフェ」の取組も紹介します。

(1)モジュール授業について

取組時間・・・毎週月・水・金曜日 午前8:25~8:40(15分間)

・・・「ビッグブック(絵本)」「ジャズチャンツ(歌など)」「カードゲーム」の3種類の取り組み

①絵本の読み聞かせ「ビッグブック(絵本)」教材:Oxford Reading Tree

②歌やチャンツ

③「カードゲーム」


<Bingo>
聞いた単語のカードを裏返して,縦・横・斜めに揃える。
<Find a match>
教師と同じカードを見つける。
<Slap game(かるた)>
正しいカードに早くタッチする。
<Concentration(神経衰弱ゲーム)>
教師と同じカードを探し当てる。
<Go Fish(ペアさがしゲーム)>
欲しいカードを伝えてペアを作り,早くカードを手放す。

(2)45分(1単位時間)の授業について・・・テキスト「LET’S GO」の活用


<導入>・・・約15分
ウォームアップ(たとえば,How many jumps?)
<展開1>・・・約7分
たとえば,B:Say and act(自分に置き換えて話してみる)
<展開2>・・・約10分
たとえば,Song(聞いて,歌ってみよう)
<展開3>・・・約8分
たとえば,D:Listen and do(動作を表す語句を学ぶ)
<まとめ,ふりかえり>・・・5分
振り返りシート
クラスメート評価シート

3実践例(3年)

【単元名】 『Shapes』(OXFORD LET'S GO)3時間目/全4時間

【本時のねらい】

いろいろな形の言い方がわかる。

【本時の学習】

(1)あいさつをする。

今日の天気,日付,曜日などを確認した後,子どもどうしで3人あいさつできるようにする。(Talk to 3)

  
(2)HRT(担任)とALTとの会話を聞いて本時のねらいをつかむ。
   
(3)単語の練習をする。

形の言い方を言えるようにする。
(円,三角形,四角形,ハート,星,長方形,ひし形,楕円形)

(4)ゲームⅠをする
  
(5)ゲームⅡをする


写真①

(6)学習のまとめをする。


写真②

評価シート(写真②)を使って自己評価をする。

【中学年における授業のポイント】

4教員の指導力向上に向けた取組「English Café(イングリッシュカフェ)の取組」


大津市では配置ALTを活用した『English Café』の取り組みをおこなっています。配置ALTが講師となり,外国語活動主任等と連携し,放課後等の時間を使用して,15分程度の短い時間で「授業で使える英語力」の向上を目指しさまざまなテーマで取り組んでいます。

5おわりに

実践例を見ていただいておわかりのように,全校で取り組んできた成果として,本年度の3年生は1年生からこの授業(取り組み)を受けており,非常に慣れ親しんでいて,活発に楽しんでいます。

本年度の1年生も,1~2学期を過ぎると,大きな声で歌い,発音も自信を持ってできるようになっています。

このように,毎朝のモジュールでの授業実践とコマ授業での実践の組み合わせによって,子どもたちが英語に慣れ親しみ,自信を持って使っていこうとする意欲につながっていると実感しています。

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