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教師の方へ

私の実践・私の工夫(算数)

つなげる・広げる・深める子ども
~気付きを深める算数の授業づくり~

6年 比例と反比例

大阪府小学校教諭

1.はじめに

日々の授業で,子どもどうしが相互に考えをつなげたり,既習事項とつなげながら考えたりする子ども,考えを広げ一般化して考える子ども,そして,一般化した考えをもとに応用し,さらに深める子どもをめざしている。

授業の中では,「ふきだし法」を活用し,子どもの気付きから始まる授業を展開している。問題に出会ったときに思ったことを「ふきだし」にかき,それを交流することから,授業を始め,気付きをもとに解決の見通しの練り上げをするとともに,本時で大切にしたいところを明確にし,めあてを設定していく。設定しためあてに向かって,自分の考えを表現し,さらに交流することで,よりねらいに迫っていく授業が大切だと考えている。

2.実践の特徴

本実践は,第6学年の「比例と反比例」の学習である。本単元で学習する「比例」は,第5学年でも学習している。第5学年では,簡単な場合の比例の関係を扱い,「比例」の用語を学習した。子どもたちは,「比例」という言葉はもちろん,比例の関係が「一方が2倍,3倍・・・になると,それに伴ってもう一方も2倍,3倍・・・になっている」という2つの数量の変化を表すことを知っている。つまり,6年生の子どもたちは,第5学年での学習を基に改めて「比例」を学習することになる。そのことを意識しながら,比例の式をxとyを使って表すこと,比例のグラフをかき特徴を見つけることなど6年生の学習を充実させる。

また,「比例」を学習する際に,比例ではない関係を取り扱うことが大切だと考える。和が一定・差が一定・比例っぽいなどの関係を扱うことで,より「比例」を意識して深めることができると考える。

3.指導の実際

①指導計画(全16時間)

第1次 比例の式,比例の性質・・・・・・・ (3時間)
第2次 比例のグラフ・・・・・・・・・・・・・・・ (3時間)
第3次 比例の利用・・・・・・・・・・・・・・・・ (3時間)
第4次 比例っぽい場面・・・・・・・・・・・・・ (1時間)
第5次 反比例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (6時間)

②授業の様子

第1時 一方が決まるとそれに伴ってもう一方も決まる関係

単元の導入として,一方が決まるとそれに伴ってもう一方も決まる2量の関係を考えた。子どもたちに,どんな関係があるかを聞くと,「速さと時間」「円の半径と面積」「勝負」「ジュースの本数と値段」など,これまでの生活体験や学習などに基づいた関係が出された。授業では,子どもたちの出した関係から,次の4つを選び表にして比べることにした。

表にするとそれぞれの変化の様子が見やすい。そして,それを仲間分けするという視点を与えることで,それぞれの変化を細かく見ることができる。どのように変化しているのか,増えているのか,減っているのか,変わらないものはあるのかなど,子どもたちはそれぞれの変化に目を向けて,仲間分けしていた。さらに既習の文字に置き換えることで,関係を捉えることができていた。

<ふりかえりより>

第2時 比例の性質をくわしくする

第2時では,前時で学習した比例の関係を詳しく調べた。お風呂の水の深さと入れる時間の関係を表で表し,どんな変わり方をしているのかを詳しく調べる課題を提示した。この時間では,比例関係にある表を縦に見たり,横に見たりして新たな見方を見つけたり,これまでの気付きを確認したりした。また,既習の文字式で比例の関係を表すことで,きまった数を見つけ,文字式で表すことの良さに気付くことができた。

第6時 比例のグラフ

第6時では,比例のグラフをかき,比例のグラフの特徴を調べた。ここで大切にしたことは,同時に3つの関係を同じグラフ上に表したことである。3本の直線を比べ,同じ所と異なる所を考えることで,比例のグラフの特徴をより理解することができる。また,1mmの方眼のグラフ用紙を用いることで,細かい数値にも目を向け,連続量としての比例を意識できるようにした。

第10時 比例っぽい場面

生活の場面では,必ずしも比例の関係ではない「比例っぽい」場面が数多く存在する。数値の誤差で比例になっていない場合や,一次関数のようにある部分だけが2倍,3倍・・・の関係になっているなどが「比例っぽい」場面である。この「比例っぽい」場面を扱うことで,生活の中で数学的に考える力や関数の考えを伸ばすことできる。

第10時では,牛丼の値段と重さの関係を「比例っぽい」関係として捉え,牛丼の値段をもとに重さを根拠を持って予想した。生活の中で,サイズが大きくなるとお得になっていくという感覚は比例の関係をもとにしている。生活の中で自然と感覚として使っている比例を,算数の中で確認することで,より比例を理解し,積極的に活用するようになっているのではないかと考えている。

今回の実践では,大盛よりの並盛の方が,値段に対し量が多いということが分かった。子どもたちにとっては,なぜ並盛の方が量が多いのかという疑問が生まれた瞬間であった。量を重さだけで考えていいのか。並盛を敢えてお得にしているのではないのか。子どもたちは算数から生活に場面を戻し,考えていた。生活場面からスタートし,算数を使って求め,もう一度生活場面で考える。比例ではない場面を扱うことで,比例の考えをより深めて,理解することができた。

【問題】
牛丼の並盛りは,270円で392g入っています。ミニ盛りは,230円です。ミニ盛りには,何g入っているでしょうか?

<グラフを使って> <数直線で立式>
<ふりかえりより>

4.実践を終えて

本実践では,比べるという観点を多く取り入れている。「比例と比例ではないものを比べる」「比例のグラフでは,3つの比例の関係を比べる」というように,考える視点を明確に示すことで,ねらいに近づくことができた。単元後には,「○○は△△に比例する」という例を見つける活動を行った。子どもたちは主体的に比例を探し,はがきサイズのカードに表現していた。生活と比例を結びつけて考えることができるようになったことは,一つの成果であったと考えている。今後も生活の中で活用できる場面を模索しながら,算数を主体的に学ぶ子どもたちを育成していきたい。

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