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教師の方へ

私の実践・私の工夫(算数)

心がときめく算数科の指導
~4年「角とその大きさ」~

4年

大阪市立小学校 I教諭

1.はじめに

子どもたちの算数科における学力はどのようなものであるか。全国学力学習状況調査(以下 学力調査)の結果から,数と計算領域において単純な計算問題は概ね解く力はあるが,量と測定や図形領域の問題,とりわけ作図などの問題に課題が見られる。大阪市では60年以上続いている「さんすう しんだん」という調査テストがあるが,そこでも同様の傾向が見られる。また,学力調査のB問題のように応用・活用の効いた問題に大きなつまずきや課題が見られる。

これらの原因としていくつか考えられるが,数と計算領域において概ねの定着があるのは,教師が日々の授業の中や宿題などで反復的に練習していることが成果として考えられる。一方で量と測定・図形領域はたくさんの反復練習を行うには時間と労力を要するので他領域と比べては少ないと考えられる。

こういった応用・活用のある問題に対する課題を解決するため,また,反復練習の難しい量と測定・図形領域に対する課題を解決するためには,子ども自らが課題を解決していこうとする姿勢を生み出すことが大切であると考えた。

2.心がときめくための工夫

(1)問題場面との「出会い」

子どもたちの自ら課題を解決していこうとする意欲を生み出すためには,子どもたちが問題場面に「出会う」ときに,「やってみたい」「おもしろそうだ」「こうやったら解けるかも」といった内発的な動機を起こすような工夫をする必要がある。

・具体的な工夫

①問題場面- 子どもの生活の実態に即したものが望ましい。自分たちの生活基盤になっている教室・学校,町などにある数値を活用すると子どもたちも「知りたい」「おもしろそうだ」と意欲的に取り組むことができる。例えば,4年「直方体と立方体」にある位置の表し方の学習では,自分の校区の道路・建物を書いた地図を用いた教材にする。
また,ゲーム的な出会いも楽しく学習に入ることができ,子どもの好奇心を高める。
②教材・掲示物- 黒板に貼る掲示物は動く仕掛けがあるとおもしろい。また,子どもが発表する際にも教材を動かせたり,書き込めたりできるものが望ましい。例えば,4年「角とその大きさ」では,ワニの口が指導者の手によって少しずつ開いていくような教材にする。(下記の指導案参照。)最近では,電子黒板のようなICTなども活用し,動く教材を開発したり,子どもの考えをイメージ化したりすることができる。

(2)学習したことを「活かす」

学習でわかったことを活用する問題を解くことで,基礎的・基本的な知識・技能の定着を図るだけでなく,数学的なよさや有用性を感じさせる。具体的な方法としては,問題を生活場面に盛り込んだり,数値をより複雑にしたりするといったものが考えられる。

3.指導の実態

4年「角とその大きさ」 第1時

(1) 目 標

・直角や任意単位の角を単位としての角の大きさを考えることができる。

(2) 指導の実際

学習活動 指導上の留意点


(1) 4枚の口を開いたワニの絵を見る。

(2) 角の大きさを比べることを知る。
④番のワニの口の角が1番大きそうだな。②と③はどちらの角の方が大きいのだろう。
・ ワニの口の開き具合が違うことをおさえる。
これらのワニの何が違っているのかわかりますか。 ・ 開いたワニの口が角になっていることをおさえ,角の大きさを比べることを伝える。 ・ 角の大きさのことを「角度」ということを伝える。


(1)  本時の学習課題に気づく。 ・ 本時の学習課題を板書する。
角度をくらべよう
(2) 角の大きさを比べる方法を考える。
写し紙に写し取って重ねたら,比べられるよ。
三角定規にある角とぴったり合いそうだから,三角定規を使って比べればいいよ。
こっちの角のほうが大きかったよね。
・ 単純に「重ねる」という意見に対しては,掲示物を重ね,比べることができないことを理解させる。 ・ 「三角定規を使う」という意見が出にくい場合には,指導者の方から三角定規に触れ,角の大きさがあったことを想起させる。 ・ 写し紙を使う場合にはどのようにしたら比べられるのか,三角定規を使う場合にはどのようにしたら比べられるのかをおさえる。 ・ 黒板に掲示したものと同じプリントを配る。


(1) 自分の考えた方法で角の大きさを調べる。
やっぱり③の角のほうが大きかったよ
・ 机間指導を行い,三角定規で調べた子に三角定規のどの角と同じであったのかを確認する。 ・ 写し紙を使った子には,三角定規も使って考えてみるように声かけをする。




(1)  考えた方法を発表する。 ②番の角はこの三角定規のこの角と同じ大きさでした。
(2) 角度の大きさの順を確認する。 (3) 本時の学習のまとめを書く。 (4) 半回転・一回転について知る。
・ 三角定規を使った方法については,教師用の三角定規の角を指しながら,確認する。 ・ 写し紙を使った方法については,OHPを使って全体に見せる。 ・ 3年の学習を想起させ,④の角は直角になっていることをおさえる。 ・ 半回転や一回転なども角であることをおさえ,直角のいくつ分になるかを考えさせる。


(1) 別のワニの絵を見て角の大きさを考える。 (2) 考え方を発表する。 ・ 三角定規を使って考えさせる。

(3) 板書計画

4.指導を終えて

ワニの口が少しずつ開いた時,子どもたちは楽しそうだった。「すごい,動く!」「次はもっと開くよ」といった声が聞かれた。〈角度の大きい順に並べよう〉という課題にしたこともよかった。45°と60°の2つで意見が分かれ,この2つの角度について調べたいという意欲を導き出すことができた。

写真①
子どものノート

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