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私の実践・私の工夫(算数)

いくつといくつ(1年)「どんな虫ができるかな?」

1年

山口県 A教諭

1.はじめに

1年生1学期の算数の中で,子どもたちと楽しい活動ができる単元が「いくつといくつ」の学習である。「いくつといくつ」は,たしざんやひきざんの素地になる単元であり,子どもたちに算数の楽しさを感じてほしい単元であり,数の合成・分解をしっかり子どもたちにイメージさせていきたい単元である。

小学校に入って間もない子どもたちであるので,算数をとても楽しみにしている。各教室で行われる授業は,おはじきを両手に入れて,あといくつで6になるかを考えたり,いす取りゲームをして,赤と青のぼうしの人数を数えたりしながら,楽しい活動が繰り広げられる。生活にある様々なものを組み合わせながら,「2と3で5だね。」と,子どもたちが自然と口にすることができるように数を合成・分解する感覚を身につけさせていきたいと考える。

2.「どんな虫ができるかな?」(数の合成・分解)

算数の授業を,様々な教科と組み合わせてつくっていきたい。音楽科や生活科など,子どもたちが大好きな活動と算数を組み合わせて授業づくりを行うことで,子どもたちは算数を好きになっていくと感じている。

「どんな虫ができるかな?」では,2つの言葉を組み合わせて虫をつくりながら,数の合成・分解を学ばせていこうとするものである。ことばを組み合わせながら複合語を作ることは,数の合成・分解に子どもたちが気付いていく学習となる。

「みやま くわがた」「しおから とんぼ」「もんしろ ちょう」など,子どもたちにとって身近な虫がでてくることで,学習も盛り上がると考える。「くろ かぶとむし」「とんぼ くわがた」など,「こんな虫がいたら面白い!」と実在しない昆虫を考える子どもがいれば,学習はもっと盛り上がるであろう。

3.授業の実際

①「今日は虫をつかまえます!」と伝える。

教室に「虫かご(封筒でつくったもの)」を持ち込んで,「これは何でしょう?」と尋ねた。勿論,封筒には言葉が書いてあるので,すかさず「虫かご!」と応えた。そこで,「今日は虫をつかまえます!」と伝えた。子どもたちは,算数で虫をつかまえるとは思いもよらないので,「えーっ!」「やったー!」と歓声を上げた。授業の始めは,子どもたちの意欲を最大限に引き出したい。教師の第一声から,子どもたちを「虫の世界」へと授業に引き込んでいった。

②むしかごから虫カードを出していく。

「どんな虫が出てくるかな?」と問いかけながら,むしかご(封筒)から,マス目のある紙に書いた虫や色や形・大きさを表す言葉を書いたカードを1つ1つ引き出していった。子どもたちは,「かぶとむし見つけた!」と目に入ってきた言葉をもとに,楽しそうに見つけた虫を伝えてきた。

③どんな虫を見つけたかを尋ねる。

「もう虫を見つけた人がいますね。すごい!他にはどんな虫がいますか?」と何人かに聞いていく。「てんとうむし」「くわがた」「か」など,子どもによって違う虫を発表させていった。発表していく中で,「あげは ちょう」など,2つの言葉を組み合わせて伝えてくる子どもがいた。「2つのカードを組み合わせてもできるんだね。すごい!」と褒めた後に,「みんなも2つの言葉を組み合わせて虫をつくることができるかな?」と全体に問いかけていった。子どもたちは,「簡単!できるよ!」と自慢げに言う。子どもたちは言いたくてしょうがない様子になっていた。

④7文字の虫を見つけることができるかな?と問う。

「じゃあ,2つのカードを組み合わせて全部で7もじのむしをつくろう!」と板書した。そして,「じゃあ,先生が1つ,つくってみるね。」と言い,2文字のカードと4文字のカードを選んでつくってみせた。「それはおかしいよ。」と子どもが伝えてきた。「おかしくないでしょ。2つのカードを使っているよ。」とカードが2枚であることを確認した。「だって,7もじじゃないよ。」という子どもがいた。7もじになっているかどうかをみんなで確認していった。教師が間違いを提示して,どうして間違いなのかを確認しながら,虫をつくるルールを全体が理解したと感じたら,子どもたちのノートに7もじの虫をつくらせていった。子どもたちが自分のノートにかいている間に,誰がいくつ虫をかくことができているのか,どのような虫をつくっているのかを見取っていった。

⑤どんな虫を見つけたのか確認していく。

誰もが1つは虫をつくってノートに書くことができたら,「どんな虫ができたのか発表しましょう。」と投げかけた。教師が,虫を書いた数の少ない子どもから当てていく。2枚のカードをもたせて,「"しおから"と"とんぼ"で"しおからとんぼ"です。」と発表させた。本当に7文字で,できているのかを1文字ずつ数えて確認した。7文字になっていれば黒板に貼っていった。

⑥こんな虫がいたら面白いと思う虫でもよいルールにする。

幾つか子どもたちの発表を聞いていると,「こんな虫も見つけた!」という子どもがでてきた。確認してみると,実際にはいない虫であった。7文字なので,実際にはいない虫でもいいことにした。すると,「とのさま とんぼ」「あげは くわがた」など,面白い虫の名前ができてくる。子どもたちは,「これならたくさんできる!」と喜んでノートに書き加えていった。

⑦どうしてたくさん見つけることができるのか尋ねる。

たくさんノートに書き込んでいる子どもたちに,「どうしてそんなにたくさん見つけることができるの?」と問いかけた。すると,「だって4と3だったら7になるから,4もじと3もじのカードを組み合わせたら,簡単につくることができるよ。」「さかさまの3と4でも7になるよ。」「ほかにもできるよ。5と2でも2と5でもいいよ。」「まだあるよ。6と1,1と6。」「てんとうむし か」「き かみきりむし」でもできるね。」と伝えてきた。「本当にそんなにたくさん7になるの?」と問いかけ,子どもたちが書いているノートの虫を確かめさせた。「やっぱり7になる数はたくさんあるよ。」と返ってきた。「7になる数はそんなにあるのだね。みんなたくさん見つけてすごい!」と褒めた。

⑧みんなでカードを増やして,もっと面白い虫をつくる。

見つけ方を確認したところで,「じゃあ,今度はみんながカードをつくって,いろいろな虫をつくってみよう!」と投げかける。子どもたちは,「きあげは」「てんとう」「だんごむし」「あかあお」など,知っている虫を言葉の数で切ってあるカードに書いていく。

「きあげは とんぼ」「くわがた とんぼ」「ばった てんとう」「くろ かぶとむし」「あか だんごむし」など,面白い名前の虫を考えてくる。

⑨「もっと見つけたら先生に教えてね。」と伝えて授業を終える。

7文字の虫をつくる授業はここで終わる。子どもたちに感想を聞いてみると,「とても楽しかった。」「7もじのむしはもっとつくれるよ」と満足そうであった。そこで,「もっと7もじの虫を見つけた人は先生に教えてね。」と伝えて,授業を終えた。

⑩休み時間から帰ってきた子どもたちが虫を見つけて伝えてくる子どもがいたら大いに褒める。

次の休み時間の終わりに,「先生!7もじの虫見つけた!」と子どもたちの動きがあれば,子どもたちにとって,非常に楽しい学習だったことが分かる。「せきせい いんこ」「でか だんごむし」など,学校の中で子どもたちは虫や動物を楽しそうに見つけていた。

⑪虫を探す活動をもっと発展させるには

1年生の子どもたちは,虫の名前をたくさん知らない子どもたちもいる。図鑑を使って探す活動も取り入れると,たくさんの7文字の虫を見つけることができる。虫に限定せずに,「恐竜」「花」なども考えられる。文字数を変えることで,7以外の数の合成・分解の活動も行うことができる。

【参考文献】
東洋館出版社 教科書プラス 坪田算数1年生
明治図書出版社 楽しい算数の授業 2011 5月号

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