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私の実践・私の工夫(理科)

児童の観察記録を活かす授業を目指して
4年 植物の観察の授業実践

4年

大阪教育大学附属池田小学校 荒川 真一

1.はじめに

「実験と観察のどちらが好きか。」と聞いたときに,児童も教師も「実験。」と答えることが多い。その理由の一つとして,一人ひとりの観察記録を効果的に交流することが難しいことが挙げられる。児童同士の観察記録を活用し,児童の観察意欲を高めるための観察の授業を行うためには,どのような工夫が必要なのか。このことを念頭に置き実践を行った。

2.観察の授業で児童同士の交流を盛んにする手立て

4年生の植物の成長の学習で,次のような実践を行った。場面は,ツルレイシの子葉と本葉の違いについてである。

(手立て① 観察の場面設定)

観察で重要なのは,何を目的に観察を行うかを明確にすることである。教師の手立ての第一歩は,観察するものの準備である。

この場面では,観察するものには,子葉と本葉の両方がついている必要がある。そのため,児童が自分で育てているものではなく,児童が育てているもの中から条件に合うものだけを選び,二人一組で観察を行った。そのため,すべての児童が子葉と本葉の違いについて詳しく観察することができた。

(一人ひとりが植物を育て観察することは,自然に対する興味・関心を高めるためにとても重要である。そのため,自分で育てている植物については,それぞれが観察記録を積み重ねていく時間を確保した。)

(手立て② 観察する場所について)

外に出ての観察活動は,児童にとってとても魅力的であるが,今回の実践では観察の基礎ができるまで教室で正しい姿勢でじっくりと観察を行うこととした。そうすることで,児童はしっかりとした観察記録を仕上げることができ,観察に対する意欲が高まっていった。

(手立て③ 鋭い観察眼を育てる)


落ち着いた環境での観察

子葉と本葉の違いについて,学級全体で観察のめあての交流を行い,記録を交流に役立てることができるようにした。(交流の結果,次に挙げる2つは,全員が必ず観察記録に書くことになった。)

  • ①形の違い
  • ②大きさの違い

これらのことを意識して書いた観察記録が,次のものである。

児童たちは,2つのこと以外にもにおいや手触りなど諸感覚を使ってたくさんのことを観察し,記録することができた。

(手立て④ スッケッチの指導)

児童の観察眼を育てるための手立てとして,スケッチの指導も必要となってくる。

言葉だけでなく,スケッチを描くことで何度も何度も対象を観察しなければならず,その結果,新たな発見もあり,より細かなところまで観察しようとする意欲も高まってくる。

スケッチについては次のように指導している。

  • ①見えたものだけを描く(想像はしない。)
  • ②その日の観察の主役を中心に描く
  • ③同じものは省略してよい
  • ④線をきちんとつなげて描く

きまりを守り特徴をきちんととらえているものが素晴らしいと評価することで,絵が苦手な児童も前向きにスケッチに取り組むことができた。

(手立て④ 観察記録の交流)

今はICTを活用して,児童たちのスケッチを簡単に全体共有することができる。自分の観察記録を全体に示しながら説明することで,観察の精度も言語能力も向上させることができる。観察の途中で,しっかりと観察できている児童の記録を書画カメラやタブレットなどを活用して,学級全体で共有することで,学級全体の観察眼が高まっていった。

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