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授業実践記録(理科)

音や力に関する新しい実験の提案

富士市立須津中学校 宮川 明

中学1年生で音の速さを測る実験を行う際,ストップウォッチ2台を使う方法や,ホースを使う方法は紹介されているが,2台のメトロノームを使う方法はあまり知られていない。そこで,平成23年に1年生で行い,24年には3年生の速さを求める実験として,富士地区の研究授業で提案した。

「2台のメトロノーム」の概要は以下のようであるが,実際は生徒に「わかったこと,不思議なこと,調べてみたいこと」として思いつくままに書かせ,グループで意見を交換させた。

準備: 電子メトロノーム2台,100mメジャー
方法 ①電子メトロノームのテンポを 240回/分にあわせる
②2台を同時にスタートさせる
③1台をメジャーの0mのところに置く
④別の1台を持って,遠ざかっていく
⑤2台の音がずれてくることを確認する
⑥音が一致したところの距離を測定する
計算方法
①240回/分 =240回/60秒=4回/秒 ② ①で計算した結果より,メトロノームは1秒間に4回打っていることがわかる。
つまり,打っている間隔は,1/4秒ごとである。
③はじめ,同時に聞こえていた音がずれてきて,再び同時に聞こえたときの距離を測れば音がその距離を1/4秒で移動したことになる。
結果

次のページに1年生で行ったときの生徒の様子と書いたものを載せる。

予備実験の時の装置の様子
授業のときの様子

このときは90m地点で一致した。

その2

アーテック社の「風パワーぜんかい」という教材を使って,この車が風上に向かって走るようにするにはどうしたらよいかと,その理由を考えさせた。これは,校内の公開授業で行った。
授業案は以下の通りである。

1.日時 平成24年 9月19日(水) 第6時
2.場所 第2理科室
3.題材 風に向かって走るウインドカー
4.本時のねらい
  帆をつけたウインドカーは,風に押されて風下に走ることはわかるが,帆を車体に対してある角度をつけると,風上に向かって走らせることができる。なぜ,風上に向かって走ることができるのかわからない生徒が,帆にはたらく揚力を車体の進行方向とその垂直方向に分解し,垂直方向の力をタイヤによってはたらかせなくすることにより車体の進行方向の分力のはたらきで風上に向かって走ることができることがわかる。
5.展開
  第1ステージ(基本的なことを共有する場面)
ウインドカーに扇風機の風を当てて,風下に走らせる。その後,風上に向かって走らせる方法を考える。(グループ)
第2ステージ(高い課題に挑戦する場面)
風上に向かって走る理由を考える。(グループ)
6.協同的な学び
  (1)モノとの対話 ・ウインドカーを走らせる。
  (2)ヒトとの対話 ・なぜ風上に向かって走るのか考えを交わし合うことができる。
  (3)自分との対話 ・作図により,帆に生まれる揚力を分解し,風上に向かって走る理由を考える。
7.授業の視点
  ・第1ステージでの生徒の取り組みはどうだったか。 ・自分の意見をグループの中で言うことができていたか。人の意見をしっかりと聴いていたか。わからないことを人に聞けていたか。(グループ活動での生徒のようす) ・話し合いが進まないグループ,均等に話をするグループ,仕切り屋がいるグループへの教師のケアはどうだったか。 ・授業で活躍させたい生徒の取り組みはどうだったか。(どこまでわかっていたか。いいところは?)
・第2ステージでの生徒の取り組みはどうだったか。

以下の図のみ記入したプリントを渡し,わかったこと,不思議に思ったこと,感想を書かせた。

各班の考え