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実験・観察の安全指導

エタノールの沸点測定の実験について

平成28年度以降用教科書「未来へひろがるサイエンス」
1年本冊p.163の実験6 エタノールが沸とうする温度

本実験の方法や注意事項についてお問い合わせをいただきましたので,社内にて追実験を行い,安全面を確認いたしました。実験の際には教科書や指導書の注意事項に加えて,以下の点に十分ご注意いただきますようお願い申し上げます。

【追実験と結果】

  • ○方法:以下の(1),(2)の組み合わせによる4通りで実験した。
    (1)エタノールの量:10cm3(教科書の「方法」の量),20cm3の2種類
    (2)枝つき試験管:外径18mm×長さ180mm,外径21mm×長さ200mmの2種類
  • ○結果:いずれも突沸,引火などは起こらず,安全面を確認できた。
    なお,外径18mmの枝つき試験管にエタノール20cm3を入れて加熱した際には,沸とうしたエタノールが枝つき試験管の枝付近まで上昇した。よって,エタノールの量は10cm3よりも多くしないことが適切であると考えられる。

【実験を行う際の注意点】

  • 必ず安全眼鏡を着用する。
  • エタノールの量は10cm3とする。
  • 必ず水を入れたビーカー中で,枝つき試験管(または大型試験管)を加熱する。
    その際,加熱前に沸とう石を入れ忘れないようにする。沸とう石は一度使うと効力がなくなるので,必ず未使用のものを使う。
  • ④ エタノールを集める試験管は火気から離して氷水の入ったビーカーにつけ,ぐらついていないか確認する。
  • ⑤ ゴム管がねじれないようにする。また,ゴム管が火気や金あみに触れないようにし,ガラス管は試験管に深く差し込む。ゴム管やガラス管も熱くなっているので,やけどに注意する。
  • ⑥ 温度が一定になることが確認できたら,加熱を続けないようにする。枝つき試験管(または大型試験管)中のエタノールの液面が,温度計の液だめの最下部よりも低くなる前には確実に終了する。
  • ※ 1年本冊p.169の実験8につきましても,同様に上記①④⑤など,十分ご注意ください。
  • ※ 本実験に限らず,事前に予備実験を必ず行うとともに,器具に不具合がないことをご確認願います。また,ガスバーナーを使う際は,適正な炎で燃焼しているか,常にご注意くださいますようお願い申し上げます。