2年
つくってあそぼう                  
 

奈良県A小学校
教諭

1.単元について(はじめに)

 おもちゃ作りの単元では,何よりも,子供たちが何かを作りたいという意欲をもって活動に入ることが大切である。本校の子供たちは1年生の時から,秋みつけの活動を通して秋素材を使った工作,昔遊びのなかでカルタや竹トンボを作ったりと,工作の経験はあったので,本単元では自分で作ったおもちゃを改良させて,「遊び大会」を開き,友達と一緒に楽しく遊ぶことを大切に考えた。

 どのようにおもちゃ作りに入っていくか?子供たちへの意欲付けに苦慮したが,まず教師が子供たちの目の前でおもちゃを作ることから始めた。そのなかで,日常目にしている紙,クリップ,ビニル袋,プラスチックなどのごく身近なものが,走る,飛ぶ,くっつく,音が出るなどの動きをすることで,子どもたちに「驚き」を与えることをねらいとした。

 

2.単元の目標

身の回りにあるものを使っておもちゃを作ることができる。
作ったおもちゃで遊んだ上で,工夫を行いさらに質の高いおもちゃに改良することができる。
作ったおもちゃを使ってみんなで楽しく遊ぶことができる。

 

3.指導計画(10時間)

時数 学習活動 教師の支援と留意点









教師が身近な素材を使い、子どもたちの前で、おもちゃを作り子どもたちに動き方を見せる。
ダイナミックに動くものを見せて,驚きを大きいものとする。
動きの様子など気付いたことを発表し合い,自分ならどういうものを作りたいかを考えさせる。
 
考えたものを設計図に仕上げる。
設計図を書かせる時には可能な限り材料をそろえて置き,見せたり触らせたりする。







教師で揃える材料を伝え,設計図と見比べさせ,その他必要な材料を持ってこさせる。
家族に材料準備の連絡を入れておく。
おもちゃを作る。
よく似たおもちゃを作る子どもどうしを近づける。
 
予想以上に時間がかかる場合もあるので2時間連続で行う。







作ったおもちゃで遊ばせる。(試す)
おもちゃの良いところ見つけてほめる。児童なりの思いや発想を発表させる。
遊んでいて気付いたことや友達の作品や発表をもとにして改良させる。
飾りや色だけでなく科学的な要素も含めて指導する。







改良したおもちゃで「遊び大会」を開く。
友達の作ったおもちゃを認め一緒に遊ぶ。教え合いができるように声をかけさせる。
  10

まとめ(ゆとり)
 

 

4.私の工夫

 1年生の時の工作との違いを持たせるため,また理科へとつながっていくためにと,科学的な見方ができるおもちゃ作りに取り組んだ。このねらいを実現させるには,まず導入で子どもたちにイメージを与えることが大切と考え,できるだけ多くの素材をもとに,おもちゃを作り,子どもたちの前で遊んでみせた。

<子供たちの意欲づけのために演示したもの>
  段ボールを使った空気砲
  ストローにビニル袋をかぶせたロケット (※下段写真)
  磁石の同極どうしを使った追いかけっこ
  ビニル袋と和紙を使った蝶(静電気)

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5.学習を終えて(成果と課題)

10時間(1時間はゆとり)の計画を立てていたが,学級閉鎖などにより予定通り計画が進まず,後半は教師が強引に授業を進めていく形になってしまった。
「軽い」や「つるつるしている」など素材の様子を表現する言葉や,改良したおもちゃで遊んでいるなかで,「やっぱり軽い方が〜」「もっとおもりを重くしたら〜」という言葉が聞かれた。
おもちゃを改良しているなかで,子どもたちがお互い,どうしたらよいのかを相談し悩んでいる友達を助けている姿がみられた。
子どもたちお互いで,いろいろなルールを決めて楽しく遊んでいる姿がみられた。

 


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