1年
だいすきだよ                  

茨城県A教諭



1.単元について

 最も身近な自分の家庭生活に目を向け,家族がしている仕事や自分にできそうな仕事を調べたり試みたりする活動を通して,家族の一員としての自分の存在や役割に気づき,助け合って生活していくことができるようにすることをねらいとしている。


2.単元の目標

家庭での生活や家族のことについて興味・関心をもって取り組み,自分にできる役割を行い規則正しく健康に気をつけて生活しようとする。
家族のことや自分でできることを考え,家庭や家族のことについて調べたことや体験したことをまとめたり表現したりすることができる。
家庭生活は,家族の温かさや家族の仕事によって支えられていることに気付くことができる。

3.指導計画(9時間扱い)

第1次 いえで こんなことを したよ (2時間)
第2次 しごと めいじんに なれるかな (4時間)
第3次 できるように なったよ (3時間)


4.授業の実際

第1次 いえで こんなことを したよ

 家族の手について調べる活動を通して,家族にしてもらっていることを振り返り,家族のことや自分のできる仕事について考える。そこで,担任の手形をきっかけにして,家族の手が毎日の生活の中でしていることに着目させ,「仕事をする」「抱っこしてくれる」など,家族の温かさや大切さに気付かせていく。

 担任の手形を見て,担任がいつもしていることを考えた。その後,子どもたちは自分の手形を写し,自分の手についても考えた。
 家族の手形を写し,家族の手が何をしているか考えた。家族の手は自分のことだけでなく,他の家族のために働いているということを知り,手伝うことの大切さに気付いた。

第2次 しごと めいじんに なれるかな

 家族の一員としてできる仕事を見つけチャレンジしていく。ここでは,自分で取り組む仕事を決め,家庭で実践する。学校での実践では,家庭で手伝いしたことを活かして,自信をもって取り組めるようにしていく。

≪ 主な仕事の内容 ≫

食器洗い・お米とぎ・サラダ作り・卵料理・お茶入れ・洗濯たたみ・洗濯干し・ ごみの仕分け・窓そうじ・アイロンがけ


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 家庭での実践では,「お手つだいがんばりカード」に満足度と感想を記入させたことで,仕事をする上で難しいことや工夫する点に気付くようになった。また,お手伝いの楽しさを知ったり,一人でできる仕事が増えたりした児童も見られた。

アイロンがけグループ
 学校で行った「お手つだい大さくせん!」では,どの子どもたちも家庭で実践してきたことを生かし,自信をもって取り組んでいた。ここでは,お互いに自分の家のやり方を伝え合いながら活動することで,違った方法を知ることができ,いろいろな工夫があるという気付きにつながった。また,各グループに保護者のボランティアティーチャーが入ったことにより,アドバイスをもらうなどして進んで活動を行っていた。


  <子どもたちのつぶやき・感想>
「 同じグループの○○くんは,おいしそうなサラダをつくったんだよ。」
「 わたしの家ではやらなかったけど,お茶を入れるときは,先に湯飲みを温めるといいんだね。○○ちゃんがやってたよ。」
「 ごみを捨てるときに,ペットボトルと缶を分けるのをはじめて知ったよ。」

第3次 できるようになったよ

 お手伝いしたことについて自分なりの表現方法を使って,できるようになったことや気づいたことを紹介したり見合ったりしていく。そして,互いに認め合うとともに,自分の役割を積極的に果たすことの大切さに気付かせることで,これからもよりよい家庭生活を送っていこうとする意欲を育てていく。

 自分のチャレンジしたお手伝いについて,思ったことや気づいたことを絵に描いたり,文に書いたりしてまとめた。児童は,お手伝いを通して知った仕事のコツや気をつけること,自分が工夫したことなど,みんなに知らせたいことを書いた。
 お手伝い発表会では,自分が行ったお手伝いについて,作文を読んだり,絵や写真を見せながら発表したりすることができた。質問や感想では,友達にもっと知りたいことを聞いたり,友達のよいところを誉めたりし,お互いの思いを伝え合うことができた。また,友達の発表を聞いて,すごいなあと感心したり,僕もやってみたいなと違うお手伝いに興味をもったりしていた。

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<児童の発表カード>


5.成果と課題

 お手伝いにチャレンジし,自分の役割に責任をもって行うことで,家族のことを考え,自分ができることがあることに気付くことができた。自分でできるようになったことが増え喜びを感じ,家族のために何かしたいという意識が育っている。
 家族の手のワークシートやお手伝いがんばりカードなどの自分の活動を振り返れる学習カードは,家族との関わりを通して自分への気づきが深まるため有効であった。
 児童にとって一番身近な環境である家庭との連携を図るために,学年通信やボランティアティーチャーとの打ち合わせ会などを通して,学習のねらいや活動内容を伝えたことにより,理解と協力を得ながら学習を進めることができた。

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