小学校算数教科書「わくわく算数」Q&A

Q1
第2学年で,筆算を学習する前に第2単元で17+4や21−6のような計算を扱っているのはどうしてですか。

回答

第2学年で,筆算の前に13−2や17+4のような計算を取り上げている理由は,これらがいろんな場面で出てくる基礎的な計算なので,いちいち筆算でしなくても処理できるようにして欲しいからです。

例えば,78×7の筆算は,

のようにかいて,次のように計算します。

七八56で,6をかいて5上げる,七七49で,上げた5とで54だから,答えは546。

このとき,途中に49+5というたし算が出てきますが,これを筆算でしていては,筆算の途中の計算をまた筆算でしなければならないということになり,筆算の学習そのものに支障をきたします。同様の計算は,わり算の筆算の中にも出てきます。

また,「かけ算」の学習で,九九を構成する際,例えば,7の段では,7×1=7,7×2=14,7×3=?のように1つ前の答えに7ずつたしていきますが,その際,14+7や49+7というたし算を行います。一方,7×9=63,7×8=?のように大きい方から順に小さくしていく場合には,63−7のようなひき算も出てきます。

このように,(2桁)+(1桁)や(2桁)−(1桁)という加減計算は,いろんな場面に顔を出しますので,いちいち筆算でしなくても答えが求められようにしておく必要があります。子どもたちは,一旦筆算を学習すると簡単な計算も筆算に頼ってしまう傾向があるため,上のような基礎的計算は,筆算を導入する前に取り上げておきたいものです。