6年
6か年の算数のまとめ    
−算数のおもしろさを味わうトピック問題の扱い−     

沖縄県 A

単元 6年のまとめ

1.算数のおもしろさを味わうトピック問題について,

 6年生にとって2月下旬から,これまでの学習してきたまとめをする時期になる。
【数の計算】,【量と測定】,【図形】,【数量関係】の全領域について復習をするので,その学習にかける時間も多くなる。教科書の最後の約10ページ近くをしめる量である。

 しかし,そのような大切なまとめの学習であるが,多くの児童は単に「計算や文章題などのドリルをする,プリントをする」くらいのことだととらえているようである。

 計算や公式の考え方などをもう一度最初から説明しても,児童にとっては以前話の繰り返しのため興味も薄れるのか集中力もなくなってくる。そのような中プリントを繰り返しても理解が深まるとはいえない。そしてその学習から何かを発見してくれることも少ない。

 そこで,この学習のまとめを既習事項の扱いだけでなく,トピック的な問題を多く取り入れ,問題に潜む数学的な考え方に触れさせたいと考えた。子どもたちの興味・関心を引くような楽しい問題や算数を使った考え方で解ける問題を取り入れることにした。

 問題は教科書の世界だけでなく,身近な生活の場面からも算数を感じてもらいたいと考えて用意した。市立図書館から算数やパズル関連の書籍を借り,学級に置いて自由に読める環境作りをした。(50冊程度)

 そして,そのような学習を通して,1人1つずつテーマを決めて,一見するとクイズのような問題でも,その問題に潜む数学的な考えや数理に気づくことで,算数の有用性を感じることができたと思う。そのような学習のまとめもかねながら児童にとって関心を引くような教材の扱いを考えた。


2.授業で扱った様子と主な学習内容

 a「エジプトの縄張り師」の話題

(下記の<編集部注記>亀井喜久男先生の「エジブトひも」を参考にしています)。

※導入として,縄張師について紹介する。

「大昔,かつてエジプトに縄張り師がいて,測量の仕事をしていた・・・・彼等は,単純な道具(縄)を使って,長さを求めたり,直角を作ったりした。そしてナイル川のはんらんのたびに消えた土地の境界線を再度引いたりすることができた・・・。」

 次に,自分たちもその縄を作ってみることにした。児童一人ずつ等間隔に印を付けた縄を作り,それを実際に操作しながら,いろいろな図形ができることを発見していった。
 ビニルひもに5pずつ結び目を作り,版画版の裏に押しピンを刺して,いろいろな図形を作ったり変形させていった。

 子どもたちは,最初ひもの長さは固定なのだから,図形もそんなに多くは作れないと思っていたようである。しかし,正三角形から面積半分の直角三角形がたやくすくできることを見つけると,後は1つの図形から変化させていろいろな図形を作っていった。

子どもの感想

正三角形を半分に分けると直角三角形が2つできる。その他にも正方形から,その半分の直角三角形が作図できたり,いろいろな形が作れた。1つの図形から,いろいろな図形にできたりするのですごいアイディアだなと思いました。


縄張師のひもでは,直角三角形だけでなく正方形・台形など何でもできました。結び目を1こずらすだけでも違った形ができるので面白いと思いました。


こんなひもで簡単に直角三角形や正方形ができるなんて思ってもみなかった。
エジプト人の家やピラミッドのような建造物もこの縄でやったのかなぁと思いました。


12の結び目を使っていろいろな形ができたので面白かった。もっと数を増やせば他の形もできるはずだからやってみたい。

<編集部注記>
 「エジプトひも」は,印をつけて12等分された輪になったひもで,岐阜東高等学校の亀井喜久男先生が,古代エジプト人が縄を使って直角をつくったと伝えられている話をもとに,古代の数学と現代を結ぶ教材として考案され,命名されたものです。発表されたエジプトひもに関する論稿の中では,このひもを使ったいろいろな図形(直角三角形はもとより,正方形,長方形,正六角形等)の作図方法も紹介されています。詳しくは,亀井先生のホームページ
http://www.ctk.ne.jp/~kamei-ki/index.htmをご覧ください。


 b「ハノイ(バラモン)の塔」

解説:3本の棒があります。そこに穴のあいた大きさの違う円盤が□枚あります。これをなるべく少ない回数で他の棒へ移動して下さい。

ルール:

1度に1つしか動かせません。
小さい円盤の上に大きい円盤はおけません。

 円盤を1枚の状態から,5枚まで1つずつ増やしていった。子どもに操作をさせながら取り組んだ後,きまりをみつける学習へ進んだ。

円盤の枚数動かす回数
15
31
□枚数の時の数×2+1と求めた。
1×2+1
3×2+1

 つまり,3枚目の回数7は,2枚目の回数(3回)かける2たす1で求められる。

3×2+1=7となる。

 しかしこれも,64枚の回数を求めるには63枚目の回数を知らなければできない。よって,もっと見方を変えてできないかと話し合いを進めた。2−1

 この学習も,変わり方をとらえるためにまず実際にやってみて,それから表にまとめた。
そのような一連の流れの中,問題にひそむ決まりを見つけ,数学的な考え方で問題を解くことができていった。(※98年7月に掲載の葛飾中学校佐藤先生の実践を参考)

 同種の問題として,「紙を□回折って重ねた厚さは?」も取り扱った。この場合,新聞 紙を30回折ると,その厚さはどうなるかとして考えさせた。この場合では,紙1枚を0.1oとして計算させた。(小数のかけ算)


c図形のパズル

この十字架の形から正方形へ変形させてください。
 この問題も答えは,何通りもある。

 そこで簡単な方法(ア)から,切り分ける直線の秘密を見つけて発展して考えることで,いくつも答えを見つけるように流れを作った。

(例)
・4本の直線を平行移動して,2本にする。
・直線は,垂直に交わっている。

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