5年
発展問題に挑戦しよう!      
〜直線で結ぼう〜          
熊本県熊本市立健軍東小学校
菅 建二
1.はじめに

 本年度は,新教育課程完全実施スタートの年ということもあって,5年生の教科書においても昨年度4年生で習った内容と重なる部分がかなりある。そこで,単に昨年度の復習の授業にならないように,チャレンジ問題として発展的な問題を教師の側で用意し,子どもたちの意欲づけを図っている。

2.実践「直線で結ぼう」 (教科書単元 
6,変わり方のきまり
 の発展学習として)

  (1) 本実践の主張点

 ともなって変わる2つの数量の関係を考察し,その数量の間にあるきまりなどを見つけるような授業においては,きまりを一般化することが授業の一番のねらいとされることが多い。もちろん一般化することは重要なことであるが,そのことのみをあまりに重要視しすぎると,教師が自分のねらいや意図する方向に導いていこうとする意識が強くなりすぎて,子どもたち一人一人の考え方を大切にするとは言いながらも,授業のねらいに合うような考え方に収束させてしまいがちなのではないだろうか。

 そこで,本実践においては,単に一般化することのみを授業のねらいとするのではなく,もっと子どもたちの自然な発想や思いを大切にし,子どもたち一人一人が自分なり の考え方で問題に取り組めるようにしたい。つまり,どの考え方がよいかのみを追求するのではなく,それぞれの考え方にあるその子どものよさ,その子なりの工夫や根拠を教師や子ども同士が認め合えるような授業を展開していきたい。

  (2)

 本時の目標

 点の数とその点を結ぶ直線の数の関係について考えることができる。

  (3)

 授業の展開

主な発問と児童の反応留意点,支援,評価等
1.本時の学習のねらいを理解する。

  T:今日は点とそれを結ぶ直線の数の関係について考えてみましょう。まず,ここに点が2つあります。この2つの点を結ぶ直線は何本引けるでしょう。

  C

:点が2個なら直線は1本だけ引けます。

  T

:それでは点が1個の時はどうでしょう。

  C

:点が1個では直線は引けないので直線の数は0本です。

  T

:点が3個の場合はどうでしょう。

  C

:2本引けます。

  C

:いや,もう1本引けるから3本だよ。

  C

:3個の点を一直線にならべると点を結ぶ直線は2本しか引けないよ。

  T

:それでは,点と直線を結ぶ時,一つ条件を決めておきたいと思います。必ず全ての点同士を直線で結ぶことにします。

  C

:それなら点が一直線にならんじゃいけないから,点が3個の場合は直線は3本引けることになります。

  T

:次に点が4個の時はどうでしょうか。

  C

:4本かな。

  C

:いや,対角線も引けるから6本になると思います。

  T

:点が5個の時はどうでしょうか。直線が何本引けそうか頭の中で考えてみましょう。

  T

:それでは,点が9個の時は何本の直線が引けるでしょうか。


段階的に提示して問題を理解しやすくする。


問題の条件について十分に理解できるようにする。



3個の点のならべ方について子どもからでなかった場合は,点が上記の3個の場合のように一直線にならんだ場合については,省いて考えることを知らせる。


点が4個の時は子どもを前に出して実際に直線を書き込ませて確かめる。


点が5,6,・・個の時は,発表させるのではなく,頭の中で自分なりにイメージを描かせるようにする。
2.解決の方法の見通しをもつ。

  T:どんな方法で直線の数を求めますか。

  C

:実際に9個の点を書いて直線で結んでみる。

  C

:点が1個の時,2個の時,・・・というように順番に考えていく。

  C

:引ける直線の数の増え方から調べる。

  C

:対角線の数の増え方を考える。

  C

:表に書いてみる。

  C

:式で考える。


答を出すことだけではなく,自分なりにどうやって答を求めようとしたかということが大切なことを知らせる。
3.自分の考え方で解決する。

  T:自分なりの方法で引ける直線の数を求めましょう。1つの方法で答が出たら,他の方法を考えてみましょう。


解決できない子どもには,実際に9個の点を書いて直線で結ばせたり,5,6,7・・個と点の数を増やしながら順々に調べさせたりする。
4.自分の考えを発表し,話し合う。

  T:どんな方法で直線の数を求めたかを発表しましょう。

  C

:表に書いて考えました。

直線の数を横にみていくと1,2,3・・・と増えていっているので点の数が9個の時は36本の直線が引けます。


点の数と直線の数をたてにたすと,次の直線の数になっているので,9個の時は8+28で36本引けます。

  C

:9個の点を実際に書いて直線で結んでみたら全部で36本引けました。

  C

:1つの点から何本の直線が引けるかを考えてみました。点が5個の時,1つの点から4本,次の点からは3本,その次の点からは2本・・と引けるので,4+3+2+1で引ける直線の数を求めることができます。

このように考えると,点が9個の時は,8+7+6+5+4+3+2+1で36本の直線を引くことができます。


自分なりの方法で解いたことを認め合うような場にする。

<評価>
自分なりの方法で直線の数を求めることができる。

きまりを見つけて解くことのよさを知らせる。


子どものつぶやきを大切にしてできるだけ取り上げるようにする。
5.本時のまとめをする。

  T:今日の学習で分かったことや発表を聞いて気づいたことを書きましょう。


時間があれば2,3人に発表させ,次時への意欲づけとする。

  (4)

 実践の成果

点と点を結ぶという単純な作業の中で,子どもたちは様々なきまりなどを発見し,算数の楽しさを体感することができた。


1つの解決方法を見つけたら,次の方法をというように,子どもたちが大変意欲的に取り組んだ。


表だけではなく,組み合わせ的な考え方まで発展して出てきた。

  (5)

 今後の課題

式化することを目標とした子どもにとっては,無理な問題であった。


問題の発展性から考えると5年生というより,6年生で実施した方がふさわしいのかもしれない。



前へ 次へ


閉じる