5年
「月と太陽」の教具の工夫         
神奈川県A小学校教諭

 

1.はじめに

 7月には,日本国内では46年ぶりとなる皆既日食があり,ニュースなどでも話題になりました。部分日食を観測された方も多いのではないかと思います(写真は 大和市で観測した部分日食)。

  また,今年はガリレオ・ガリレイが天体望遠鏡を用いて初めて天体観測をしてから400年目にあたることから,「世界天文年2009」という節目でもあるそうです。

  今年度から新学習指導要領の移行措置期間に入っています。新課程の内容が先行実施されるものもありますが,今回はその中の一つである「月と太陽」についての工夫について紹介します。

 

 

2.単元について

 現行の学習指導要領では,理科の学習時間や学習内容が削減されたため,月が満ち欠けすることやその仕組みについては学習しないことになりましたが,一つ前の学習指導要領(平成元年版)では,太陽の動きとあわせた一つの単元として5年生で学習されていました(たしか単元名は「太陽と月」だったような記憶があります)。

 今回の新学習指導要領では,月が主役となり6年生の学習内容として復活した形となります。

 

 

3.教具の工夫

 月の形の見え方が様々に変化することは,太陽の光の当たり方によるということの指導のために,次のような教具を考えました。

<材料>

 発泡スチロール球(直径10cm) 竹串 白熱電球のスタンド

 発泡スチロール球はホームセンターのようなところで購入できると思います。

 竹串を刺して持ち手とします。表面にクレータ様の加工をすると,見え方にリアル感が出ると思います。手で直接持つことにはなりますが,学校にソフトボールなどがあれば,改めて用意しないで済みます。

 白熱電球のスタンドは,笠の部分は外しておきます。自分はソケットをそのまま使いました。(写真はスポンジ球で作った月のモデルと太陽のモデル用の白熱電球とソケット)

 

 

 

4.指導にあたって

 暗くした理科室で実験をします。暗幕が引ける体育館などでも良いと思います。

 一人一つ,月のモデルを持ちます。一つの白熱電球スタンドで数名が活動できます。たくさん数が揃えられないときは交代で調べてもいいと思います。

 先に一斉指導で演示をして見せ,それから各自で新月,三日月,上弦の月,満月,下弦の月などになるときと「太陽」の位置を調べさせます。満月にするときは,月のモデルを少し上に掲げるようにします。

 

 

 

・ 月のモデルを持つときは,肘を少し曲げる程度の方が良い。(肘を伸ばしてしまうと,満月のときに太陽(白熱電球)からの距離が長くなりすぎて見えにくくなってしまう。)

・ 月のモデルは左回りで回していく。このとき,自分(地球)の回りを一回りさせたときを,一日の間に変化する様子と勘違いしやすいので,そうではなく,約一ヶ月の間に月の形の見え方が変化する様子であることを押さえる。

・ 白熱電球はかなり熱くなるので十分に注意する。

 内容の取り扱いについて,小学校では地球から見た太陽と月の位置関係で扱うこととなっており,地球の外からの見方については中学校の学習内容になりますが,三球儀などで理解しやすい児童もいるかもしれませんので,用意しておくのもいいと思います。

 また,月の表面の様子については,太陽と違いがあるということが学習内容なので少し発展となってしまいますが,月が自転しながら地球のまわりを公転している(どちらも約 27.3日)ことが,地球からは月の同じ面しか観測できない理由であるということを,月のモデルと自分(地球)が“公転・自転”しながら位置関係・見え方を体感することで,知識を広めることにつながるのではないかと思います。

 

 

5.おわりに

 今回紹介した教具の大もとになったのは,中学校で教育実習をした時の授業です。実習先が附属中学校でしたので優秀な生徒達が多かったと思うのですが,暗幕をひいて暗くした理科室で演示をした時の驚いた反応は,もう20年も前のことですが,今でも覚えています。

 指導要領が改訂されて,新たに「月と太陽」という単元になってからはまだ実践していませんが,実際に授業をする機会があった折には,児童の学習記録などを取ってみたいと思います。

 単元についてでも触れましたが,今回は一つ前の指導要領の時の実践を思い出しながら原稿を書きました。同様の工夫を普通にされていた先生方も多いかもしれませんが,その点はご容赦下さい。



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