5年
メダカの観察方法の工夫               
静岡県富士市立今泉小学校
増田 光彦
1.はじめに

 今泉小学校区は,「今泉」の名が示すように,戦争中まで富士山の地下水が至る所で湧きだしており,清流に魚が泳ぐ姿が眺められたところである。その豊富な水を利用して,大小の製紙工場が建設され,製紙の町が形づくられた。

 戦後,製紙工場の大型化に伴い,川の汚れが目立ち,公害問題が騒がれ,子どもたちの中に喘息患者が増加したのはこの頃である。

 近年,「蛍の住む清流を・・・」という地域の人々の努力により,今泉の田宿川には清流が戻り,夏には「たらい流し」の行事が行われるまでに至った。


2.メダカの観察・・・今までの観察方法について

 今まで,メダカの観察をする場合,丸形水槽にメダカを小分けしたり(写真1),アクリル板で観察器具を自作(図1)したりして実施してきた。

写真1
1

この器具の作り方は,以下の通りである。

1 アクリル板をアクリルカッターで切り,そのうちの一つを熱で折り曲げる。

1 接着・・・ アクリル樹脂接着剤 二塩化メチレン
商品名:アクリルサンデー
輪ゴムで形成してから,接着面に流し込む。

(平成7年2月に小島 基先生より富士市理科教育実践会の研修会で学んだものである。)
(現場で解決したい点)
子どもの数だけ作るには,時間がかかりすぎる。
アクリル板や接着剤のコストがかかる。
もっと簡単でだれもが用意できる方法はないものか探すと


ありました!!


 身近なもの(チャック付きビニル袋:百円ショップで購入)を使ってメダカを観察する方法です。
(静岡県総合教育センター発行「あなたの授業をサポートします」より)

この小型のビニル袋に入れても,メダカは2時間以上生きていることができたため,一人一人がメダカを観察するよい機会をもつことができます。


 子どもの観察の表情を見てみると,手にとってメダカを真剣に観察していることが分かります。また,ノートの記録から,メダカの観察がよくできたことが分かる。オスとメスの違いが分かり,体のつくりにも目が向けられている。一人一人が手にとってメダカを観察できたことが,大切な学習を支えてくれたと思います。

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