6年
【火山の噴火】実験                 
埼玉県入間市立黒須小学校
教諭 金井 松男

1.はじめに

 単元「大地の変化」は選択学習です。「地震による変化」と「火山活動による変化」のどちらかを選んで調べる学習です。

 導入時に,「大地の変化」に興味をもたせ,子どもたちが主体的に判断して選択できるようにしたいと考え,「火山活動による変化」への興味・関心を持たせる実験を紹介します。

 本校の周辺には,大地の変化を観察できる場所は少なく,教科書やVTRのような視聴覚教材をたよりにして,子どもたちに情報を提供して選択を行わせてきました。

 そこで,「火山活動による変化」に関する導入として,「火山の噴火」を実験して体感させてみることにしました。子どもたちは「火山の噴火」には興味をもっています。しかしながら,大地を変化させるという見方は持てていません。「火山の噴火」を模擬的に体感させて,火山活動への見方を深め,興味・関心を持たせていきます。


2.準備するもの (参考:「理科ねっとわーく」:http://www.rikanet.jst.go.jp/

【PVA洗濯のり】 【焼石こうと重曹】 【紙皿(浅い物と深い物)】

【プラスチックカップ(蓋付き)】
【山型の粘土】
【墨汁(朱墨)】 【バーミキュライト】


3.実験方法

1 準備
   紙皿(浅い物と深い物)を用意します。深い紙皿の底をくりぬき,浅い紙皿の上に伏せて置きます。プラスチックカップがちょうど受け止められるようにします。プラスチックカップの蓋には,一辺2cm程度の正方形の穴をあけておきます。

 その上に,山型の粘土を置きます。

2 プラスチックカップ(容量120ml)に「焼石膏(30g」,「PVA洗濯のり(30g)」と「水(30cc)」を入れてよく混ぜます。
さらに,墨汁とバーミキュライトを適量加えて,溶岩や岩石の感じを出します。
どろどろした感じになります。

3 これに,重曹(10g)を加えて,割り箸でよく混ぜます。粘土をのせた蓋を置き,深い紙皿の上にセットします。
油粘土がよい。軽い紙粘土では,押し上げられて隙間から流れ出てしまいます。

34 しばらくすると,重曹の働きで発泡してきて,どろどろの溶岩がわき出てきます。その様子を観察します。

5 着色を変えてみると
【墨を混ぜた火山の噴火】 【朱墨をまぜた火山の噴火】
噴火して出てきたマグマが冷え固まって堆積している感じを表現しています。 朱墨を混ぜると,噴火して流れ出ている高温の溶岩の様子を表現しています。


4.実験 (平成19年1月19日実施)


【気がついたこと】
 時間がたつと固まっていく。
 下の方からわき上がってくる。
 どろどろ状態でゆっくり流れ出ていった。


5.まとめ

 この実験は,冬季に行いました。水温が低いと反応が遅くなるので,暖かい湯で行いました。夏季では,常温で十分反応します。上記の児童の実験では,プラスチックカップは容量60mlの小さめの物を使用し,材料はそれぞれ半分の量で行いました。材料に余裕があれば,大きめのプラスチックカップ容量120mlで行い,継続的な噴火の様子や,堆積していく様子をつかませることが容易になります。


6.最後に

 火山の噴火は,子どもたちにとって,興味をそそる現象です。どろどろしたものがわき出てきて流れていく様子は,実際の火山の噴火を思わせます。

【火山の噴火実験】は,以下のサイトで詳細に書かれています。
【理科ねっとわーく:http://www.rikanet.jst.go.jp/
小6「大地のつくり」をコンピュータグラフィックスでみよう

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