4年
児童一人ひとりが見通しを持ち,           
主体的に観察に取り組む授業を目指して           
沖縄県金武町立嘉芸小学校
高松 隆二

1.はじめに

 子どもたちが植物を学習する際にその植物名を特定することは容易ではない。ここでは,身近に見られる植物の葉を中心に観察することで,植物に興味・関心を持たせたい。沖縄では,ほとんどの植物が冬でも落葉せず,葉はいつでも観察できるよい素材である。普段見慣れているはずの葉でさえも,それだけを見せられるとなかなか見分けられないものである。そこで,葉を観察する視点を葉全体の様子・色・形・葉脈・葉柄・大きさ・葉の周りの様子に絞ることにした。また,葉をスキャナで取り込み,スクリーンに映して全員が共通理解できるようにした。

2.実践

  (1)葉の特徴を調べよう
     校内にある木の中から児童が自分の木を一本選ぶ。その葉をスキャナで取り込み,スクリーンに映して児童に特徴を発表させる。
    (葉全体の様子・色・形・葉脈・葉柄・大きさ・葉の周りの様子)
    ※ 大きさがわかるように定規を当てて取り込む。
      とても小さい(5cm未満)<小さい(10cm未満)<大きい(15cm未満)<とても大きい(15cm以上)と定めた。
    ※ 葉脈については,平行,網状かはっきりしないの3つから選択した。



  (2)葉っぱクイズ
     児童が発表した葉の特徴をプレゼンテーションソフトでまとめ,スクリーンに映し植物名を当てさせる。初期の段階では机の上に植物名のカードをおいて選ばせる。慣れてきたらカードなしで挙手をし発表させる。


  (3)葉っぱカルタ
     葉(実物)を提示し,植物名のカードを選ばせる。グループ単位でカルタの要領で競い合う。苦手な児童のためにわかりやすい植物名のカードは人数分用意する。


  (4)葉っぱウォークラリー
     葉の写真を元に,校内のどこにあるか調べ,地図にマーキングする。見つけた植物の場所を発表する。



  (5)授業後の児童の感想


3.おわりに


成果
児童が一人ひとり自分の木を決めたことで,観察する意欲が高まり,自主的に観察・記録することができた。
プロジェクターで大きく葉を移し,観察する視点を明確にし共通理解したことで,児童が葉の特徴をつかみやすくなった。
実物を提示したことで大きさについて理解し,さわることで表面の様子を知ることができた。
   
課題
教師がもっと校内の植物を知る必要がある。
つかんだ特徴をスケッチで詳しく表現できるような指導法の工夫。

 子どもたちは見慣れた葉にあらたな興味を持ち,とても意欲的に活動してくれた。何より感想で「葉っぱウォークラリーで見つけられなかったものを見つけたい。」「調べていない新しい葉をもっと調べたい。」とあった。今後もより充実させ,さらに植物に興味を持ってもらうように工夫した授業をしていきたいと考えた。

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