１．はじめに
「ものが燃えるとき」の導入部では，空き缶などでの燃焼実験から底なし集気びんを利用した実験に入っていくのが一般的であるが，ＴＰシートを活用した導入に取り組んでいる。
ＴＰシートでの筒づくりは容易にでき，透明で中が見える，はさみなどで切り取りが簡単にできるという利点がある。
注意点としては，長時間，ろうそくを燃やすと，筒が熱くなる。安全面の指導を徹底する。
２．学習の実際
(導入)
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内径３cmと５cmの筒を用意し，児童に，その中でろうそくの燃焼をさせる。
内径５cmの筒の中では，ろうそくの炎が消えることはない。しかし，３cmの筒の中ではすぐに消えてしまう。
そこで，
『なぜ細い筒の中のろうそくの炎はすぐに消えてしまうのだろうか。』
という疑問が出てくる。
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(2) 課題の確認
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理由を話し合ったところ，代表的な考え方として次のようなものが出された。
○筒の中の空気の量が少ないから。
○新しい空気が入ってこないから。
そこで，
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細い筒の中のろうそくの炎が燃え続ける方法を考えよう。
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という課題を設定し，解決方法を考えさせた。
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(3) 解決方法を考える
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| 児童は， |
○筒の上の方に穴を開ける。
○筒のまんなかに穴を開ける。
○筒の下の方に穴を開ける。
○筒全体に小さな穴を開ける。
○粘土に穴を開ける。
○粘土と筒の間にすき間を作る。 |
といったような方法を考えた。 |
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(4) 課題解決に取り組む
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粘土を切る | |
線香の煙を使って |
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(5) 結果を発表し合い，まとめを行う
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筒の下の部分に穴を開けたり，粘土を切り取ってすき間を空けることでろうそくの炎が燃え続けるようになることが確認できた。また，空気の動きについては線香の煙を近づけることで確認できた。
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３．成果と課題
○成果
| ・ | 導入部で二つの現象を同時に比較することで，児童に課題意識をもたせることができた。
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| ・ | ＴＰシートがあれば，一人一人に実験させることも可能である。
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| ・ | はさみで切ったり，カッターで穴を開けたりという操作が簡単にでき，一人一人の児童が考えた実験方法が容易に行われた。
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| ・ | 線香の煙を利用し，筒の内外の空気の動きを確認させることができた。 |
○課題
| ・ | 長時間ろうそくの炎が燃えていると，筒が熱くなる。
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| ・ | 各自の実験を自由に行わせることはできるが，それぞれの実験結果の比較検討が難しい。
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| ・ | 筒を横に向けてみようなどの考えも出るので，安全面に関する指導を徹底する必要がある。 |
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