5年
きらきら光るミョウバンのかざりを楽しく作ろう        
熊本県熊本市立山ノ内小学校
立石 眞理子

1.はじめに

 子どもたちは,水の温度が高くなるとミョウバンのとける量が増えていき,逆に水溶液の温度が低くなってくるとミョウバンの粒が多量に出てくるようすをとても興味深く観察する。

 子どもたちにとっては,透明だった液の中で白いつぶがみるみる増えてくることが不思議な現象であるため,この学習の発展として,再結晶を利用したミョウバンのかざり作りをおこなった。

2.今回の実践の利点

 (1) クラス全員35〜40名程度が,一度にできる。(4〜5名を1グループとして)

 (2) 短時間に完成させることができる。
(準備と設置に1時間,結晶析出と完成に1時間程度)

 (3) 保温の箱を使わないので結晶が析出するようすが肉眼で観察できる。

 (4) 一人にひとつ自分だけのものができる。

3.つくりかた

 準備するもの(4〜5人のグループに1セット)
アルコールランプ 三脚 金網 温度計
ガラス棒  ビーカー(300ml
割り箸  はかり
ポットの湯(60〜70℃)・・・200ml
ミョウバン( AlK(SO4)2・12H2O )・・・120g
モール・・・12〜13cm(市販の長さの半分)
 ※ものによっては,色が溶け出すものもあるので注意。モールの色によるできかたの違いは,あまりない。

エナメル線(細い針金)・・・12〜13cm
 ※エナメル線は錆びにくく,割り箸に巻いておくだけで長さの調節ができて便利。
※ 室温 15℃程度で行った結果を以下に報告する










4.子どもたちの感想から

 ・ 「もののとけ方」では,いろいろ勉強したけれど,モールで形を作ってきれいな結晶を作ったのが,なにより楽しかったです。私が作った形は星です。その星にきれいに結晶がついたのはとてもびっくりしました。せっかく作り方を覚えたので家でも作ってみます。

 ・ ミョウバンの結晶のなかでも色々な形や色がきれいでした。特に星の形がきれいでした。家に帰ってみんなに見せたら,「すごーい」と言って部屋にかざってくれました。

 ・ 最初はうまくできるか心配だったけど,できてみるとキラキラして輝いてきれいでした。

5.残った液と結晶の処理について

 母液の中にはまだ多量のミョウバンが溶け込んでおり,析出した結晶もビーカーの底に固まっている。これらのミョウバンを回収して再利用できるようにしておく。


6.続けて2回目を行うとき

 ミョウバン(含水塩)の溶解度・・・水100gにとけ得る量は,60℃で約57gである。かざり1個につき10g程度のミョウバンの結晶がつくので,取り出した分のミョウバンをを追加してやれば2回目ができる。その際加熱によって蒸発する水の減少があるので考慮して追加しないと,液の中にモールが完全に沈まずその部分には結晶がつかなくなる。

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