4年
より効果的な星座観察のための「光る星座盤」の製作 
沖縄県A小学校

1.はじめに

 理科の学習で子どもたちは,実験をしたり,教室を離れ屋外での観察など体験的な学習をものすごく楽しみにしている。実際,今年度から4年理科に追加されることになった「星をみよう」の単元では,子どもたちは星座観察会の実施を心待ちにしているが,子どもたちの期待に応えるような観察会ができるかどうかは効果的な教具の準備にかかっているのではないだろうか。

 これまでの星座観察会では,星座早見盤を片手に行ってきたが,一つ一つの星座の並び方やその動きを観察するときに十分納得できるものではなかった。

 そこで今回は,星座を形づくっている星一つ一つをよりリアルに視覚に訴えるような星座盤の製作を手がけてみることにした。

 なお,今回は,夏の大三角をつくる3つの星座のほか,北極星を見つけるための手がかりとなる北斗七星・カシオペア座,それから星の色の違いを理解できるようにさそり座を取り上げた。

2.製作の実際

光ファイバーケーブルを用いた星座盤の製作

 (1) 用意するもの

光ファイバーケーブル(星の色の違いを出すために白,赤,青を用意した)
版画板,電池ボックス,スイッチ,豆電球,配管用ツバ管,ドリル,木工ボンドなど


 (2)

 製作方法

1) 版画板1枚に1つの星座とし,星の位置に合わせて1mm位の穴を開ける。

2)

 適当な長さに切った光ファイバーケーブルを穴に差し込み,裏面を木工ボンドで接着する。

3)

 接着が完了したら1つに束ねて,豆電球を組み込んだツバ管(豆電球の光をもらさないようにするため)に集中させる。

4)

 スイッチや電池ボックスを豆電球に接続する。

5)

 1等星以外の光ファイバーケーブルの切断面を黒マジックペンで微妙に色付けし,星の明るさの違いを出して完成。


さそり座表面(光ファイバー)

さそり座裏面(光ファイバー)

北極星の見つけ方表面(光ファイバー)

北極星の見つけ方裏面(光ファイバー)

発光ダイオードを用いた星座盤の製作

 (1) 用意するもの

発光ダイオード(黄,緑,赤を用意した。白もあるがものすごく高価。残念!)
版画板,電池ボックス,スイッチ,はんだごて,リード線(赤・黒),ドリルなど


 (2)

 製作方法

1) 版画板1枚に1つの星座とし,星の位置に合わせて2mm位の穴を開ける。

2)

 発光ダイオードを穴に差し込み,木工ボンドで接着し,足を左右に曲げる。

3)

 発光ダイオードの足の長い方に+極の赤のリード線を,短い方に−極の黒のリード線を並列つなぎになるようにはんだづけする。

4)

 スイッチや電池ボックスを接続して完成。


さそり座表面(発光ダイオード)

さそり座裏面(発光ダイオード)

3.おわりに

 今回は,光源の違う2種類の星座盤の製作を手がけたが,理科室に暗幕を張ってのテストでは,暗闇でも星のように光る星座盤ということで子どもたちの反応も上々であった。

 しかし,発光ダイオードを用いた星座盤は,色に問題があることや実際の星より明るすぎるという声が多かった。「本物そっくりだね。」と評判が良かったのは光ファイバーケーブルを用いたものであった。発光ダイオードのようにはんだづけなどの作業も要らず簡単にできるので,「ものづくり」の活動として子どもたちに取り組ませてみるのもよいと思う。



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