英語授業実践記録
ポストセルハイ1年目の取り組み
茨城県立藤代高等学校
豊島 卓
 
1.はじめに

 平成16年度から3年間スーパーイングリッシュハイスクール(SELHi)の指定を受け,昨年度無事終了した。今年度はポストセルハイ1年目にあたる。1学年を担当しその成果を継承すべく日々実践を行っている。しかし,思い描いていたようには進まず,何らかの対策が必要であると感じるようになった。

 
2.今年の1年生の現状

 中学既習事項の定着が不十分であるため,春休み中の課題(ブリッジ教材)を授業時に使用し,6月まで基本単語,基本文法の復習を行った。入学当初の学習状況調査で,予備校や塾では学習するが,家庭での学習習慣が身についていないことがわかった。そのため, 英単語の Drill Book を使い,実際書いて提出させてチェックすることを行っている。また,読解問題を週末課題として与え,長い文章に対する苦手意識の払拭に努めている。

 
3.授業内容

 英語 I の授業は,11月まではサブノート中心に授業を展開し,「予習→授業→復習」のサイクル確立に多くの時間を割いた。一定の成果をあげてはいるが,部活動等で時間の取れない生徒の中には,受身の授業に終始する者も見られるのが現状である。
 12月からは訳先渡し授業を始めた。ペアワーク,グループワークを多用し,多少の私語には目をつぶる授業を行っている。発言機会の増加,生徒同士の意見の共有(そこから派生する「皆と同じ意見」だという安心感)など,今までの授業とは雰囲気が変わってきた。
 OC I の授業は,習熟度別授業を3年生で実施すること(文系クラスの学習指導強化)にしたため,1クラス40人をALTとJTEのTTで行っている。昨年度までのような,きめ細かな指導ができていないのが現状である。しかし,ALTの努力により,ワークシートの作成や添削などは翌週までには完成し,授業の進度は,昨年と比較してもスムーズである。

 
4.授業実践の工夫

 英語 I の授業では,1月になり内容把握からサマリー,そして自分の意見をまとめる方向にシフトチェンジを行っている。読後の感想を大切にする姿勢は,小論文指導や自己推薦文作成につながると考えたからである。
 1月の LHRでは新聞記事(日本語)を読ませ,要約・感想(日本語)を書かせた。小論文指導の一環として行ったが,生徒の反応が大変よかった。なかには,英語 II の内容とリンクした記事を取り上げている生徒もいて,英語の授業を大切にしている様子を生徒の姿勢から学んだ。
 次は英字新聞(?)と考えていたが,先日のセンター試験で考えが揺らぎ始めた。第6問が小説から論説文になり段落や本文全体の主旨を問う設問に変わったため,速読・多読の重要性を担当者と話し合っているところである。
 このように,英語 I の授業は,生徒の様子,定期考査の成績,模試の結果を踏まえて,柔軟に対応している。
 OC I の授業では,40人の生徒を一度に教える授業形態を変えることは,今年度は不可能なため次のように変更した。
 昨年度までは,1月にスピーチの発表,2月にプロジェクト(ポスターセッション,映画,劇などのグループワーク),3月にディベートを行い,授業中に指導を行っていた。今年度は,宿題を多くし,各自(各グループ)の授業以外での活動を重視するようにした。
 具体的には,

(1) 授業では,3月に行うディベートに向けた指導を中心に行う。その他の活動は宿題の形で各自が取り組むこととする。
(2) 各自に,スピーチ(個人)かプロジェクト(グループワーク)かを選ばせる。
(3) 締め切りを3段階に分け,次のようにした。
[1]  第1段階(1月第2週締め切り)
ア スピーチ・・・・ 内容は,「旅」,「食べ物」など,200字以上でまとめて提出
 →ALTが原稿を添削し返却(10日以内)
イ プロジェクト・・ クループのテーマを決め,その内容を150字以上でまとめて提出
[2] 第2段階(2月第1週締め切り)
ア スピーチ・・・・ 添削された原稿をリライトし提出
イ プロジェクト・・ 各自の担当部分を150字以上でまとめて提出
 →ALTが原稿を添削し返却(10日以内)
[3] 第3段階(2月第3〜4週締め切り)
ア スピーチ・・・・ Wordで清書した原稿を提出
イ プロジェクト・・ 各自の担当部分をWordで清書し提出
(4) 3月の最初の授業で各自(各グループ)の発表を行う。

 利点としては,昨年度とほぼ同じ内容の授業が可能となり,SELHi3ヵ年との比較が容易に行える点,問題点としては,授業中にスピーチやプロジェクトの指導を,時間を割いて行うことができず,放課後の指導が中心となりがちな点があげられる。

 
5.おわりに

 SELHi が与えてくれたものは計り知れない。教員側の意識改革も進んだ。しかし,ポストセルハイ1年目で,今までの成果がそのまま上手に機能するとは限らないことを学んだ。我々にはさらなる工夫と苦悩(?)が必要なのだ。
 最近のマイブーム(?)は,ポストセルハイ学校のホームページを見ることだ。そこには,上手に成果を受け継いでいる学校とそうでない学校がある。各学校の工夫と苦悩を私の授業にも取り入れてみたいと思っている。
 「ある先生(学校)の授業実践(成功例)を,自分の授業(学校)でも取り入れることができるかを考える。できそうだったらアレンジを加えて実践する。もし,生徒の反応が悪かったり授業がうまくいかなかったら,すぐにやめる」。4年前,SELHi先進校へ行った時に対応してくれた先生の言葉である。この柔軟な姿勢に,ポストセルハイのヒントがあると思う。

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