英語授業実践記録
プレゼンテーション活動を通して
英語コミュニケーション能力伸長を目指した
授業実践と評価(OC II )
栃木県立宇都宮北高等学校
小関 直
 
1.現状と目的

 本校英語科の目標として

  • 授業の中で学習段階に応じたプレゼンテーション活動を工夫し効果的に取り入れる。
  • 各学年において生徒による相互評価などを導入してプレゼンテーション活動を総合的に評価し,同時に生徒の英語運用能力の向上を図る。

を挙げている。そこで第3学年の OC II において,生徒の実情に合わせてプレゼンテーション活動を決め,年間を通じて実践することにした。これは平成17年度の記録である。

(1)3年次生の現状

  • 1年,2年でオーラルコミュニケーション II を履修した結果,多くの生徒,特に文型の生徒が積極的にペアワークやグループワークに取り組むことができる。
  • 英語コミュニケーションに対して興味関心を抱く生徒が増加し,リスニング力の向上と相まって,英語で自己表現することで一層力をつけると思われる生徒が多い。

(2)目標

  • 文型選択科目である OC II において,年間を通してプレゼンテーション活動を授業の中心とし,英語コミュニケーション能力を伸ばす。
  • 各プレゼンテーション活動の終了とともに生徒自身が活動内容を質問紙法による自己評価をし,またビデオで振り返ることで次のプレゼンテーションの改善につなげる。
  • プレゼンテーション活動が生徒達の英語コミュニケーション能力の伸長に関してどのような意識の変化をもたらすかを調査し,この活動の評価の一部とする。
 
2.実践例

(1)導入の方法(頻度,実施時間,長さなど)

  • 選択科目 OC II 3単位中の2単位(年間実施70時間程度)
  • 対象は3年私文型クラス120人

(2)生徒の活動内容

  • speech, recitation, show and tell, debate, などのプレゼンテーション活動を行い,英語表現能力を高める。
  • ティームティーチングによる指導も取り入れ,プレゼンテーション活動だけでなく4技能をのばす活動をバランスよく行っていく。

(3)特徴と趣旨

  • 教師の発話を理解し,生徒も自ら幅広い話題(自分自身,家族,友人や学校,社会のできごと)について情報や考えなどを整理してプレゼンテーションする能力が求められる。
  • グループ活動,ペアワークなどを通して,生徒がお互いの英語をよく聞き理解することが重要となる。

(4)指導内容と評価

 次のようなプレゼンテーション活動を計画し,1つの活動が終了する ごとにビデオを見て自己評価し,チェックリストに答えた。

第1学期

(1) INTRODUCING OUR SCHOOL in pairs
(2) NEWS MAKING in groups
第2学期 (3) SHOW AND TELL REGARDING JAPANESE CULTURE individually
(4) RECITATION OF FAMOUS SPEECHES in groups
(5) DEBATE
 “TWO-MINUTES DEBATE”
 “TRIANGLE DEBATE”
 “FOMAL DEBATE”
第3学期 DEBATE
 
3.活動自己評価と生徒の意識の変化

 前述のように一つのプレゼンテーション活動が終了次第,自己評価チェックリストに答えた。11月の時点で上記の(1)から(3)のプレゼンテーション活動を終了し,チェックリストを集計した。質問項目の中で,英語の技能やプレゼンテーションの技術に関して,次の4項目に焦点をあてて意識の変化を分析してみた。対象は2クラスで約60人である。

  • きちんと目をあげて話すことを意識した。
  • 事前によく練習し,原稿を覚えて発表することができた。
  • 英語らしい発音,イントネーションで発表できた。
  • 間違えを恐れず英語で書き,発表できた。

[分析]

  • 第1回は英語によるスピーチ形式の学校紹介であったが,最初ということでもあり,どの項目も予想以上の高い自己評価になった。
  • 活動を重ねていくと,間違いを恐れなくなり慣れて堂々と発表できると意識するが,自分の英語力や発表技術には不満を感じてくるようである。活動内容にもよるが,回数を重ねてからの指導が英語の運用能力の向上に有効であろう。
  • 第3回は日本文化についてのショーアンドテルであったが,どうしても難解な言葉を使わざるを得ず,英語についての自己評価が低いと思われる。
  • 全体としては,「ある程度改善した,そこそこできたと思う」の3の段階値まではどの項目とも達しているので,効果的な授業であったと言ってもいいようである。

 次にこのプレゼンテーション活動が生徒たちの英語学習にどのような影響を与えたかと言うことについて見てみたい。以下の4つの質問項目について,そう思うかどうかで答えている。

  • 英語で発表することで英語を勉強したいという気持ちが強くなった。
  • この活動を通して英語ができるようになったと思った。
  • このような英語の活動は大切なことだと思った。
  • このような授業に活発に参加するようになった。

[分析]

  • 回をおうごとにこの活動の意義や重要性を理解していく生徒の割合は増えていき,90%以上が大切と考えている。そして積極的に授業に参加するようになったと評価している。
  • プレゼンテーション活動を行って英語ができるようになったと自己評価している生徒の割合が増加しているのは注目に値する。テーマにしたがって自分で英文を書き,それを覚え,プレゼンテーションするという一連の活動で英語を学習しているという実感を覚え,首尾よく発表し終えた成就感で英語ができるようになったと感じたのではないか。
  • 自由意見欄においても大変肯定的な意見が多く,「英語がこんな楽しいということをはじめて知った」「友達の英語がわかってうれしかった」「次は必ず上手くやってみせる」など,授業に対しての意欲を感じさせるものが多かった。