英語授業実践記録
音読に対する私の実践
茨城県立藤代高等学校
豊島 卓
 
1 スーパーイングリッシュ
ハイスクール(SELHi)の指定を受けて

 平成16年度から3年間スーパーイングリッシュハイスクール(SELHi)の指定を受け日々実践研究を行っている。特に,自分の考えを文章にし,それを発表することに力を入れ,少しずつではあるが手ごたえを感じはじめている。しかし,読解力の向上はあまり進歩が見られない。模擬試験の分野別達成度も例年と同じ程度であり,何らかの対策が必要と感じるようになった。

 
2 読解力養成の方法の模索

 以前,週末課題という形で英文を強制的に読ませることを行った。最初のうちは英文もやさしく順調であったが,次第に提出状況が悪くなり,すべての課題が終了するころにはクラスの約半数の生徒しか提出しなくなってしまった。
 英文を全員で読む試みも行った。あるまとまった英文を読ませ設問に答えさせるワークブックを使い,授業の最初の10分間で行った。これは生徒にも好評で英文を読む楽しさを体得させるのに有効であった。特に,内容が面白い場合には生徒からの質問も活発にでた。しかし,その後に行う授業との関連性が乏しく,あれほど楽しく英文を読んでいた姿がうそのように,授業中はクラス全体が静まりかえってしまうこともあった。また,授業時間を毎回削る必要があるため授業進度により割愛することもあった。

 
3 生徒が求めるもの・教師が求めるもの

 学習や高校生活に対するアンケートを実施し、その集計結果を見ると,生徒の求めるものが見えてくる。英語が必要だと思う生徒・英会話ができたらいいなあと思う生徒はともに8割以上,英語学習の最も身近な目的は大学入試のためとする生徒が7割,しかし,毎日英語を家庭で学習している生徒は3割程度。教師も英文を読む楽しさや異文化理解の必要性を教えたいが,生徒の身近な要求に答えるべく,入試問題に直結した指導を行いがちになる。
 このような状況で得た結論は,教科書を使い,授業を工夫し,生徒の活動を活発に行い,進路実現につながる授業展開をすることであった。

 
4 授業の展開

(1) 教科書中の教材の精選
 授業で扱う教材は,生徒が興味を持てそうなものを選ぶことにした。具体的には,評論は結論がはっきりわかり誰も納得できるもの,物語は展開がはっきりしているものを選択するようにした。
(2) 日本語訳から入っていく
 「訳先渡し授業」同様,日本語訳を最初に配布し内容を理解させる。ただ読み取らせるだけではなく,教師側から日本語で発問したり,生徒同士ペアワークでQ&Aを行わせたりする。その後,大切だと思うところ,作者が主張したいと思うところにアンダーラインを引かせ日本語の読解を重視する。
(3) 英単語・英熟語の理解
 英単語・英熟語のプリントを準備し,ペアワークで活動を行う。日本語→英語,英語→日本語の練習を時間を区切って行う。この時点で構文等の理解を深めさせ,英文を読んだとき少しでも違和感をなくさせ下地をつくるようにする。
(4) パラグラフマッチング
 片面に日本語訳,もう片面にパラグラフごとにバラバラにした英文を載せて,日本語を参考に正しい順序に並び替えをさせる。この時,英単語・英熟語のプリントを活用することを勧める。手がかりさえあれば英文は怖くないことを印象づける。
(5) 主題の確認
 (2)の活動で行った日本語のアンダーライン部分に対応する英文を探させる。次に,ペアワークで各自が選んだ英文を音読し相手に伝える。ペアワークの活動が終了した頃,教師が数人指名し,各自が選んだ英文を黒板に書かせ主題の確認を行う。このとき選んだ英文をその後の活動で使うので,主題に直結していない構文も時に拾うことがある。
(6) 音読と黙読
 内容が理解できたところで,5〜6人のグループを作り,その中で音読を行う。音読のルール(まる読み・段落読み等)は各グループに任せ時間を区切って行わせる。その後,全員で黙読を行い,時間を計りその結果を記録させる。
 
5 まとめ

 以上,私が授業で音読に対し実践していることであるが,生徒からの意見も,「活動が増えて楽しい」「英文が読めるようになった」等おおむね良好である。ただ,活動が多いので近隣の教室に多少迷惑をかける場合もある。音読・黙読は毎時間行っているが,これがゴールではない。最終的には,自分の考えを文章にし,それを発表することに少しでも役立つことを目標としたい。