英語授業実践記録
授業に音読を
(大阪)上宮中・高等学校
西村浩一
 
はじめに

 中学では比較的行われている音読指導も、高校では授業時数の関係からテープを聞かせるだけ、教員が前でモデルリーディングをするだけ、さらには指導もないまま「○×君、ここを読んで訳してくれる」と生徒に読ませるだけで終わってしまうとよく耳にします。音読は大事だといわれていてもなかなか指導する時間が取れないようなのですが、果たして本当に音読指導をする時間がないのでしょうか。ここでは、授業でどのように音読指導をしているのかをご紹介します。

 
さまざまな練習を易から難へ

 生徒がどの程度まで音読ができるのかによりますが、まずは一つ一つの単語が読めるという段階から、モデルなしですらすら読める段階まで、最初から順を追って実際に授業で行っている練習方法を紹介します。
Listening

Choral Reading

Repeating

Buzz reading

Read & Look up

Shadowing
[1] まずは聞かせる
 教科書付属の音声教材もしくは教員による音読を生徒に聞かせます。耳で聞かせてどんな読み方をしているのかを示します。読み方といってもチェックする項目は多く、各単語の発音、音がつながったり消えたりする語、リズム、イントネーションとありますが、授業では、ただ単に聞かせるのではなく、自分で読めない単語や息継ぎはどこでするのかなどをチェックさせます。一度に複数のチェックはできないので、チェックする項目だけの回数を聞かせるようにします。読めない単語はこの後に教えてあげるようにしています。
[2] モデルの後に続いて
 モデルの後に続いて音読、いわゆる「コーラス・リーディング」と呼ばれるものです。モデルの音を聞いて教科書の文字を見ながら再生する練習です。ここでは各単語の発音に加えて、音がつながったり消えたりする語に注目させながら練習を進めます。長い文では最後のほうが言えているかどうかわからなくなるので、数箇所で区切って練習しますが、最終的には区切らずにはっきりと読めるまで練習するようにしています。
[3] モデルなしで読ませる
 ここでいきなり文字だけを見せて個人練習をさせても、まだ一人では読めない生徒が多いので、教科書を開けながらのリピーティングを入れます。モデルに重ねながらの練習なので、LL教室でヘッドホンを使うのが一番いいのですが、勤務校ではないのでCDプレーヤーの音量に、モデルが消えない程度の小声で練習するように指示しています。ここではリズム・イントネーションに着目させ、モデルをまねて読ませるようにします。
これができるようになってきて初めて個人練習なのですが、机間巡視して、うまくいかない生徒のサポートをします。また個々に練習のスピードが違うので、回数ではなく時間を指定して練習させるようにしています。
[4] シャドウイングに挑戦
 自分で読む練習をさせた後、教科書を開いたまま机に置かせて、リードアンドルックアップをさせ、音の情報だけで再生する前に、文字の情報だけで再生できるようにします。これもいきなりシャドウイングが難しいため入れる練習です。次にシャドウイングですが、CDプレーヤーを使うときと、2人でペアを組ませて片方が教科書を読み、もう片方がシャドウイングをするときとがありますが、自分がするときはそれぞれのペアのペースで練習できる後者の方法をよく使います。
 実際の授業でもここまでできることは少ないのですが、時間があるときは挑戦させています。
 
終わりに

 「音読は大切だ。でも時間がない。」という理由で、まったく練習しないというのは短絡的だと思います。当然、上の方法を全部やれば膨大な時間を費やしますし、実際、全部やることはありません。各単元もしくは各パートの終わりに10分、いや5分でも音読練習の時間が取れれば、時が経つにつれて上達していきます。最初はモデルの後に続いて読ませるだけだったのが、1か月、2か月後にはシャドウイングの練習も取り入れることができるようになります。練習を継続していくうちに一つ一つの練習の時間は短縮できるようになり、平易な文章なら指導することなくすらすらと読めるようになります。これを機会に「授業に音読を」取り入れてみてはどうでしょうか。