教育改革のとりくみ
目次

学校・家庭・地域が変わる学社融合の取り組み

福岡県八女郡立花町立白木小学校

1.豊かな教育環境と学社融合

 本校は福岡県の南部に位置する,児童数110名の小規模校です。本校には,「すくすく山」と呼ばれる山があり,筍・栗・キウイがとれます。また,地域には,写真のような,様々な施設があり,専門的な知識を持ったグループや団体の方々が活動しておられます。これらの豊かな地域のひと・もの・ことを教育活動に積極的に取り入れ,本校では,学社融合を推進して2年になります。


2.本校が,学社融合で求めるもの

豊かな地域のひと・もの・ことに繰り返し働きかけ,関わりを深めていく活動を通して,子どもたちは自己実現を図っていきます。地域との豊かな学習活動は,子どもたちが,「知恵を学び,自己を高め,自らの生き方を考えていく」大きな手助けになると考えています。

 本校が学社融合で求めているものは,確かな学力の定着と豊かな心の育成,つまり「生きる力」の育成です。そして,「教職員の意識改革」「生涯学習の場としての学校開放」「地域への情報提供」の3つの要素が,学社融合を推進する上で大切であると考えています。本校では,学社融合を「学校教育支援型」「社会教育支援型」「生涯学習支援型」の3つに類別し,各種の教育活動を位置づけています。


3.主な学社融合の取り組み

 【学校教育支援型から】 【1年生】

 右は1年生の合科(国語科・生活科)の学習です。1年間を通して「遊び名人」のおばあちゃんに学習支援者として来ていただき,一緒に学習しました。子どもたちは,遊びの知恵を学ぶと同時に,おばあちゃんたちとのふれあいの中で,表現力を高めていきました。


【6年生】  

 6年生では「竹と生きる」をテーマに,総合の時間を使って,個人課題を追求しました。自分自身で体験活動を仕組み,「竹と食文化」「竹と伝統」「竹と工芸」「竹炭」等,調べたことをポスターセッションで発表しました。そして竹は循環型社会を構成できる素晴らしい素材であることに気づいていきました。


 本校では,農業体験活動を各学年の学習に位置づけています。下の写真は,2年生「野菜作り」,3年生「キウイづくり」,4年生「梅干し作り」5年生「米作り」の様子です。それぞれの学年で,この体験活動を生かして,子どもの表現力の向上をねらった学習を工夫しています。


【2年生】 【3年生】 【4年生】 【5年生】

 本校では,学校行事の観劇会やクラブ活動で,高校生の皆さんとの活動を展開しています。子どもたちも大好きな活動で,高校生の元気いっぱいの姿から学ぶことがたくさんあります。教えていただいたことを収穫祭や実り発表会で生かしています。


 【社会教育支援型から】  

 学校の空き教室を「ゆうゆうランド」として地域に開放しています。地域のお年寄りが自由にこられ,昔遊びなどを通して子どもたちと一緒に昼休みの一時を過ごされます。


 【生涯学習支援型から】  

 本校は,農業体験活動を中核に,国語や社会等の教科や総合の時間,学校行事等の関連を図りながら,学社融合の取り組みを進めています。その集大成として「秋の収穫祭」と2月の「実り発表会」を位置づけています。特に,収穫祭は生涯学習支援型として,本校でも大きな取り組みとなっています。学校・PTA・各種団体・学習支援者が一体となって計画を練り上げ,実施しています。


 毎年若干の変更はありますが,大きく「餅つき大会」「祭り」「食バザー」の3部構成で行っています。収穫祭には,これまで協力いただいた学習支援者の皆さん,高校生の皆さんも招待します。収穫祭については,終了後アンケートを行い,次年度の収穫祭へと地域の方々の意見を生かしています。


4.成果と課題

 この2年間の学社融合の取り組みを通して,学校教育が少しずつ活性化したのを感じます。また,学校に関わる地域の人や地域に関わる学校職員も増え,地域の教育力も高まってきたように思います。学社融合を通した様々な体験が,しっかりとした知識,学力,生きる力に結びつくように,今後もこの取り組みを進めていきたいと考えています。


【成   果】 【課   題】


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