教育改革のとりくみ

小学校高学年における教科担任制の取り組み

兵庫県宝塚市立中山五月台小学校

1.学校規模

  
 1 年2 年3 年4 年5 年6 年障害児合 計
学級数14
児童数835771687663420
教員数20人 (内訳 :学級担任14人 学級担任外4人 加配教員2人)

2.推進テーマ

 『ひとりひとりが意欲的に取り組む学習をめざして』
 −「教科担任制」と「少人数授業」を生かした学習形態・学習指導の工夫と実践−

3.教科担任制の推進状況

   「推進のねらい」

 (1) 過去3年間の教科担任制の取り組みをベースとして,その課題・問題点をより明確にし,課題解決の方途を継続して研究する。

 (2)

 専門性を生かした教科指導や学習形態の工夫によって,児童みずからがすすんで学習に取り組む姿を追求する。

 (3)

 開かれた学級づくりをねらいとして,多面的な児童理解を可能にするための体制づくりの確立をめざす。

 (4)

 中学校の教科担任制へのよりスムーズな接続を図る。

「推進学年及び教科」

 ○ 5年生2学級と6年生2学級で導入し,推進する。

 ○

 5年生及び6年生の学級担任による交換授業と学級担任外教員・教頭・推進教員の教科指導により,全教科で実施する。

ア,算数の一部で,同室複数指導及びハーフサイズ授業を導入する。
イ,総合的な学習の一部で,学級の枠をはずし,課題別グループ編成による少人数授業を導入する。

【本年度1学期における交換授業及び教科担任制実施状況】
 国語社会算数理科図工音楽家庭体育道徳学活総合
5年1組ACBHAGEFDHAAABF
5年2組ACBHCGEFDHBB
6年1組CADHFHEFHBCCCDH
6年2組CADHFHEFHBDD
5年担任:A,B 6年担任:C,D 図工専科:E
音楽専科:F 教 頭:G  推進教員:H

【研究内容】

(1) 各教科における教材研究や指導方法の改善研究。

・個に焦点をあてた学習指導の研究。

(2)

 教科担任制と少人数授業の組み合わせによる相乗効果を追求した学習形態や学習指導の研究。

5年生と6年生では主として算数で実施。(3年は算数,4年は算数・国語で少人数授業を導入し,2学級を3分割したグループを編成する)

(3)

 総合的な学習に視点をあてた学習指導の研究。

(4)

 児童理解及び生活指導の充実に向けた体制づくり。

・ 教員間の連携と情報交換(複数の教員による指導体制)

4.研究の成果

  
それぞれの教科で専門性を生かしたより質の高い授業が行われるようになり,児童の学習意欲の向上につながった。


複数の教員が指導に関わることにより,一人ひとりの児童に対する多面的理解が可能になり,それぞれの個性をより伸長することができた。


「学級の壁」が取り除かれることによって,教員間の連携や情報交換がより緊密になり,生活指導の面でも効果的な指導が可能になった。


教科担任制の中に少人数授業を組み入れることにより,一人ひとりの学びの姿が明らかになり,とくに算数では基礎・基本の定着につながった。


中学校との連携が図られるようになり,小学校高学年における生活・学習指導の課題が明らかにされてきた。

【教科担任制についての意識調査結果・・・一部抜粋 】

<調査対象> 6年生児童

<調査期日> 各年度とも1学期末

<調査項目> 『授業について思っていること,感じていることを教えてください。』



<調査項目> 『好きな教科,苦手な教科について答えてください』


5.課 題

  
各教科担任の指導が2学年にまたがっているため,打ち合わせや情報交換の時間の確保に課題が残る。


各教科の個別指導や担任と触れ合う機会が少なくなるため,児童によっては「先生に聞きたいこと」「相談したいこと」などをそのままにしてしまうことも少なくない。


2学年にまたがる教科担任制と少人数授業とを組み合わせた時間割の場合,それぞれの学年行事が異なるため,時間割調整が非常に複雑になる。



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